下の続き

あの後、「わからんもーん」なんてご機嫌なキネマ主とヤレヤレとため息をはく大谷さんの所へ三成君がやってきます。
「何をしている刑部!早く来い!」って呼びに来たんですけれどもキネマ主とこそこそお話しているのがちょっと気になったんです三成君。


「あー、三成君やー。」

うわさをすればー。
ぬーん。

「…貴様、刑部と何を話していた。」
「ぬ?」


ちょっと顔が怖い三成君。
自分の見ていないところで刑部さんが楽しげ?だったのがちょっとジェラシーな三成君。


「えーと、ぬーんと、んーんと…」
「さっさと言え。」


でもキネマ主さっきのお話は言ってもいいんかな、って考えちゃって。
大谷さんの思ってる事を自分が言ってもいいんかなって久しぶりに空気読んでみちゃって。
暫く考えて。


「ひーみーつー。」
「なっ!」
「俺と大谷さんのひみつ!」

ゆえやん事もあるんよ三成君。
ごめんねー。
でも別に悪口とかやないから心配しないで。
大丈夫。
だいじなだいじなお話やったん。


へらへらキネマ主は笑っていますが、それに過敏に反応しちゃう三成君。
秘密…だと…?
刑部が私に…?
何をばかな事を言っている貴様ァァァァァ!!
って思ってるけどちょっとびっくりしすぎて声に出せない三成君でひとつ。


「っ刑部!」
「…………やれ、秘密よヒミツ。」
「刑部ううううう!!」


刑部さんは刑部さんで自分のこっぱずかしい話なんてあえて三成君に言わなくてもいいかなって思ってます。
そんでもって余計な事を聞かせて三成君が悩むのは本意では無いのです。
別にキネマ主とワレだけの秘密、とか言うつもりはないですが三成君はそう聞こえたかもしれませんね!


「ほら、三成君誰にでも秘密のひとつやふたつあるもんやで。」
「ほう、竜の子にもあるか。」


口からマコトしか出ぬような顔をして。
竜に秘密など無かろう顔をして。


「えー、たとえば俺ここに遊びに来てるんは政宗様らに秘密やで?」
……
ぬん。

ちょっとね、政宗様もおシゲちゃんもこじゅさんも鬼さんもお忙しそうやったから。
遊んでーってゆうのがもうしわけなくって。
俺こーちゃんに頼んで三成君の所に連れてきてもらったん。

当然の事ならがらキネマ主にホウレンソウなんて言葉はありません。
全然学習しませんね!
今回のゲームの中では佐助さんだってホウレンソウは大事って言ってますのにね。

でも大丈夫です。
嫌な方に慣れた奥州家族は大体の見当をつけて大阪にやってきます。
多分キネマ主が前の日の晩に「なあなあ政宗様、三成君の所に新しい人がやって来たらしいよ。左近君ってゆうらしくてね。」とかお話してたんだと思います。
何でキネマ主が左近君の事知ってたのかはわかりませんが、慶次君伝いに聞いた事にしたらうまい事繋がるでしょうか。
という事で慶次君伝いに聞いたという事で!


早々にやってくる奥州家族を見つけるのはきっと大谷さんです。
お神輿乗ってるしね、遠くから軍馬ぶっとばしてやってくる奥州家族もちゃんと見える訳ですよ。


「…ヤレヤレ、秘密にはなっておらなんだ様だが。」
「ぬ?」
「あれに見えるは竜であろ。」
「えっ政宗様!?」


まじで!?
何で分かったん!?


驚くキネマ主をよそに、ゆらりと奥州家族がやってくるのを眺める刑部さん。
その刑部さんの隣でふるふると震えてる三成君。
そんでもってその更に隣に実はいた左近君。


「うおー、すげー勢いでやってきますよ三成様!」


あれ、何すか?
青っぽく光ってるっすけど。
三成様の知り合い?


「…左近。」
「はいっす。」
「こちらにやって来る不逞の輩を迎え撃て。」
「!」
「私は刑部と話がある。」


一歩たりとも城に近づけるな。


「〜〜〜!りょーかいっす!」


お任せ下さいこの左近!
見事ふてーの輩を追い返して見せましょう!
ちゃんと見てて下さいよ三成様!
俺の雄姿を!


「早く行け。」
「うっす!」


左近、入ります!


「あーちょっと待って左近君!俺も行く!」


ってな感じで左近さんは政宗様をお出迎え。
キネマ主もお出迎え。
キネマ主と左近さんは特にまだうちとけたりはしていません。
キネマ主は左近さんの事三成君の大事な人だって思っていて、左近さんはキネマ主の事三成様と大谷さんの知り合いっていう認識です。


さてさて静かになった城内。
そこにいるのは三成君と大谷さんだけ。
怒った顔の三成君とちょっぴり困った大谷さんだけ。


「…刑部。」
「どうした三成。」
「……あいつとしていた話は、どうしても私に話せないものか。」


三成君はジェラシーなんです。
大谷さんは自分の!っていう気持ちがあるのでね、キネマ主と秘密を分かち合ってるのがちょっと許せないんです。
それが例えどんな些細な事があっても。
三成君はこの感情がジェラシーだとは思っていないけれど大谷さんは気がついてしまって。
ちょっと嬉しくなったりしてしまって。
大概三成さんに甘い大谷さんはキネマ主と話した内容を話してしまうんだと思います。
そんでもって「馬鹿な事を考えるな刑部」って三成君に怒られる。


「お前は無二。」


お前が私を前にそのような感情を持つ事は私の心を裏切るに等しい。
側にいる事を当然と思え。
左近は左近。
刑部はお前一人だ。
私以外の誰の側にいる事も許さない。


「分かったか。」
「…」
「刑部。」
「…承知ヨ三成。」
「ならいい。」


全くお前は何年私の側にいる。
いい加減己の価値を自覚しろ。
今後一切お前がお前を貶める事は許さない。


愛され大谷さん。
三成君は本当に大谷さんが大事なんですよ。


さてさてこっちはひと段落つきました。
じゃあ左近君と政宗様達はどうでしょう。
多分おシゲちゃんと政宗様と小十郎さんがやってきてて、政宗様と小十郎さんが左近さんと戦い、おシゲちゃんはキネマ主捕まえてお説教してると思うんですよね。



「Ha!凶王が出てくるかと思えばその子飼いが俺の相手をしてくれるって?」
「あぁーん?アンタ何言っちゃってんの?」


子飼い?
俺が?
よーっく聞きなよ!
俺は左近、島左近!
三成様の左腕にいる男だ!


「三成様の命を受け、華麗に参上ってね!」


悪いけど三成様が怒るから帰ってくんないかなあ!


こっちは楽しそうですね!
左近さんも多分喧嘩だと思ってるので殺し合いの試合にはならないよ。
問題はキネマ主ですよ。
奥州のお母さんは怒り心頭です。


「ちょっと真樹緒、」
「…はい。」
「何で、ちゃんと、行き先を、言って、行かないの。」
「ご、ごめんなさい…」


行き先ゆうたら止められるとおもって、おれ、
三成君のとこやでってゆうたら行ったらあかんってゆわれるかと思って、


「真樹緒。」
「……ごめんなさい。」


おシゲちゃんがおこったらこんなもんじゃありませんが、余所様のおうちなのでこの場はこのままで収まってくれるかと思います。
でも帰ったらもう一回怒られて鬼さんの所へ逃げ出してまた怒られるループ!


一方政宗様と左近くんですが。


「そらそらそらそらァ!」


石田の左腕ってのはその程度かァ!?
You are joking!!
凶王の目も節穴だなあ!


「馬鹿言ってもらっちゃ困るなぁ!」


ってゆうか三成様の事悪く言うのやめてくれませんかね!
俺の命をかけてるお方なんでね!


なんて始め通りです。
さっきの通りです。
でもずっとやってられないのでね。
そのやり取りを遠くから見てた三成君がね。



「何をやっている左近は。」
「…まさか苦戦という訳ではあるまいが。」
「当然だ。」
「ひひっ、怒るな怒るな。」

助けに行くのか。

「何故私が。」

私が命を出した。
それを完遂するのがあいつの使命だ。

「と言いつつ足は正直よな。」
「刑部。」

お前も来い。

「分かった分かった。そう急くな。」


なんて過保護な三成君が左近くんに加勢しにやってきます。
三成君が入ったならきっと小十郎さんも加勢します。
あれ収拾つかなくなってきた…!


「何をしている左近!」


それでも私の左腕か!


「みっ、三成様!!」
「私の前で醜態を晒すな。」
「すっすんませんっ!!」


もうちょっとっす!
この左近が必ずあいつを…って三成様?
何で、刀抜いてるんっすか?
これ俺の戦いっすよね?


「お前は私の左なのだろう。」
「…へ?」
「何だあれ程喚いていたのに違えるのか。」
「いやいやいやいや!俺は!左近は!これから先ずっと三成様の左腕っす!」
「ならばお前を嘲弄するは私を嘲弄すると同じ。」


不逞の輩の誅罰、私が直々に下してやる。


三成君は多分自分が思ってるより左近さんの事を大事にしてると思います。
そうじゃなかったらタダカツさんに急襲された左近さんにあんな風に焦らない。
っていう事で三成君が左近さんとタッグを組んだので政宗様と小十郎さんの気合いも十分、すでに飽きて来たおシゲちゃんを他所に応援するキネマ主に応えるため、試合と言う名の喧嘩が始まります。


ああどうしましょう。
何書きたいんだかよく分からなくなってきました。

取り合えず大阪組と仲が良いキネマ主と、実はちょっとノリの良い三成君と、三成くんい甘い大谷さんが書きたかったので私は満足です。
三成君と政宗様は闘ってますが、どちらかの創世ルートで世の中が治まった後ならいい友達になれると思うんだ。
賑やかな子犬を飼ってる者どうし。



この後気が済むまで喧嘩した四人はとりあえず引き分けと相成り、日も暮れたので奥州家族が大阪のお城にお泊まりし、左近くんと仲良くなりたいキネマ主が持ち前のコミュニケーション力で「真樹緒」「左近くん」と呼び合う仲ぐらいにはなって。
その夜、左近くんがこっそりキネマ主のお部屋にやってきて。


「真樹緒、真樹緒、」
「ぬー?」
「こっちこっち、ちょっと来てみ!」
「なあに左近くん俺ねむい。」
「今から肝試しに行かねえ?」
「肝試し?」
「この近くの寺によ、出るって噂があってよ。」
「!!まじで!」


行く!


「よっし!あ、でも三成様や竜の殿さまには内緒だからな。」
「ゆうたらあかんの?」
「だめだめ駄目に決まってっしょ。」


絶対「下らん」って言って終わりだって。
引きとめられたらもう城から出れねーし。


「しー?」
「しー。」
「ぬん!」


とかなんとかこっそり肝試ししに行くんですけれども、三成君と政宗様達にはばっちりばれていて。
そこにはキネマ主達の姿が見えなくなってむくりと起き上がった政宗様が。
左近さんの後をこっそりつけてきた三成君が。


「…あんな事言ってやがるぜ石田ァ。」
「近くの廃寺にそんな噂があるのは事実だ。」
「Ha!だからってあんたが物の怪の類を信じてるって訳じゃねェんだろ?」
「当然だ。」


私に上伸が届いている。
大方、廃寺を根城に無法者が屯っているんだろう。
その内検分せねばならんと思っていた所だ。
左近にも言って聞かせたはずだというのにあいつは。


ため息はいちゃう三成君と面白い物を見たなっていう顔で笑う政宗様でひとつ。


「アンタでもそんな顔が出来るんだな。」
「…どういう顔だ。」
「心配で心配で仕方ねェって顔だろ。」

くっくっく。

「な!私はあの馬鹿を呆れたのであって心配などしていない!」


でも心配だった三成君でひとつ。
この後は本当に廃寺に怨霊が出てもいいし(崇徳院とかのでっかいの)ただのゴロツキにかちあってちょっとピンチになって保護者組に助けられてもいいかと思います。



ああまんぞく!
三成君と大谷さんがかけてまんぞく!
私が書く左近さんはまだ話し方をつかめていないので、エセ左近さんですすみません。
あのチャラさが!
むずかしい!
もう!


という事で長い長い小ネタ失礼しました。
私本当に三成君と大谷さんと左近くん大好きです。
キネマ主あんまり絡めなかったけど、多分キネマ主は左近さんと仲良くなれると思います。

その内左近さんが。


「三成様。」
「何だ。」
「あれ、欲しいっす。」
「あれだと?」
「あれ。」

おもしれーんですよ。
あれ。


なんてキネマ主を指差しながら言い出したら私の妄想が暴走します失礼します!

04/16


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