寒がりおかみ

おかみも寒がりっぽいので元親さんにくっついていたらいいですねほら元親さん確か炎属性だったとおもうから。
明智の光秀さんは手先とか足先とか冷え症っぽい。
冬とかすごいつらそう。

冬になったら元親さんに自然とくっつきにいくので元親さんは役得かもしれない。
元就様は寒いの強そう。
意外に武蔵君は寒がりっぽい。
半纏とかおかみにつくってもらっていたらいいじゃない。


「…意外ですねえ坊や。」

坊やはこんな雪の降る日でもお構いなしに外を駆け回る子だと思っていましたよ。

「おかみはおれさまをなんだとおもってやがんだ。」

あーさみー。
さみー。
なぐりたくなるぐらいさみー。
いくらおれさまがさいきょうだっていってもな、たえられねーことはあるんだぞおかみ。

「そうですね、本当にけしからん寒さです。」
「おかみはなれんなよ。すきまがあるとさみー。」
「勿論です。」

聞こえましたか鬼。
隙間があると寒いんですよ。
という事は私の背中が寒いんです。
がら空きです。
その大きな腕は何のためにあるんです。
早く私と坊やを温めなさい。

…何してやがるんでい、鼻たれどもよォ。


はい。
鼻っぱしら赤くして、更にはちょっと鼻水たらしながら明智の光秀さんは武蔵君を抱き込んでおりました。
寒いんです。
ちょう寒がり同士の利害の一致です。
そんなくっついて震えてる二人を仕事が終わってからくり作りに向かおうと思った元親さんが発見しました。

発見したが最後、そのまま放置できるわけは無いので。
何といっても可愛げなく可愛い事を言ってくれた明智の光秀さんのために、明智の光秀さんの背中から明智の光秀さんと武蔵君を纏めてだきしめてくれると思います。
アニキ優しい!


「おーおー、これでいいかいお二人さんよ。」
「…!温かい…!」

鬼…鬼、これは一体どういう事です。
いくらあなた隙間なくといってもこれはおかしすぎます人肌とは思えない温かさですあなた熱でもあるんですか。

「あ?熱なんかねぇよ。俺ァほらよ、炎操ってっからじゃねぇのか?」
「!!」

目からうろこな明智の光秀さん。
武蔵君は温かくなったので満足げにお昼寝モードだと思います。

「おにもたまにはやくにたつな!」
「おいコラてめェ、雪ん中に放りだすぞ。」
「鬼。」
「あ?」
「鬼。」
「…何だィ。」
「快適です。」
「………ソーかよ。」


温かくて幸せになった明智の光秀さんでひとつ。
いつも通りの四国家族でひとつ。
そしてそんな光景をたまたま遊びに来た元就さんに発見されたらいいのではないかと。


……
「おや毛利。」

お久しぶりです。
お元気そうで何よりです。
あなたもお入りになりますか。
今なら坊やが寝ていますからどうぞお好きな場所へ。

どこに入ってもぞっとせんわ。

貴様らは本当にいつもいつもいつも通りよな。


でも元就様は四国家族を存外気に入っているので、多分全員大事にしてくれる。

04/16


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