色んな人とちゅーする武蔵君

「おいおに、おとなしくしてろよ。」


……
………


あ?


はい。
しょっぱなからすみません巻いて行きます。
なぜこんな状態になったかは私にもよくわかりませんが、今まで砦の屋根とかサメとか海とか気ままにうろちょろしてた武蔵君が突然元親さんがいる工房みたいなところにやってきて、元親さんを押し倒しました。
それ前提でお付き合い下さると幸いですよろしくお願いします。


「おい武蔵、」
「じっとしてろ。」
「む、ぐ…!」


元親さんは名前呼びです。
衣食を共にして長いので、自然と名前を呼ぶようになった感じ。
明智の光秀さんは相変わらず「坊や」ですが、これは元親さんを「鬼」と呼ぶような愛称での坊やなので別に明智の光秀さんが武蔵君と距離取ってるわけではありませんよ。
なんて蛇足ですが、そんな蛇足をしているうちに元親さんの唇が奪われてしまいました。

何の前触れも無く、急に腹の上に乗りあげられたと思ったら襟のところ持って引き寄せられて唇を奪われてしました。
目を見開いて抵抗しましが、武蔵君は馬鹿力なので引き離す事はできません。


「んー!ん゛ー!んんんー!」


でもほら武蔵君ってそういう経験あるわけないじゃないですか。
今まで俺様最強!だったのにそんな性に目覚めるとか今までないじゃないですか。

だから元親さんの唇を奪ったと言っても自分の口を元親さんの唇に押し当てる感じです。
むしろ口開けて「がぶり!」とでも効果音が付きそうなぐらいの勢いで唇食べられてるかと思います。
そんでもって口をふさがれた元親さんは息が出来ません。
鼻で息すりゃいいんですけれども、突然の出来事にテンパってままならないのです。
だからちょっと涙目でもがくだけ。


「んんんんー!!!!」


そんでもっていよいよ呼吸困難というところでやっとはなれる武蔵君。
唇食べて、噛んで、吸って、それなりに満足したので離れる武蔵君。
真っ赤な顔(呼吸困難により)でちょっと涙目(呼吸困難により)な元親さんを見降ろして満足げに。


「どーだおに、きもちよかったか。」
阿呆かてめぇ!俺を殺す気か息できねぇだろうがよ!


いきなりやってきてどういうつもりだ武蔵ィ!


いっぱいいっぱいだった元親さんで一つ。
息切れしながら武蔵君の顔をアイアンクローしますが当の武蔵君はけろりとしてさっきと同じ事を呟きます。


「おいおに、きもちよかったかどうかきいてんだ。」
「あァ?」
「こたえろ。」
「アレのどこに気持ち良くなる要素があるってんだよ。」


息が止まるかと思ったわ。
死ぬわ。


「きもちよくなかったのか。」


おかしいな。
なんて首をひねる武蔵君。
うんうんうなって(アイアンクローされたまま)じゃあもう一回と元親さんに顔を近づけます。


おい武蔵。

何するつもりだィ。

「なんだおに。」

てがじゃまだ。
はなせ。


はいここでまた訪れる緊張感です。
武蔵君は元親さんが気持ちよく無かったのでじゃあ気持ち良くなるまでやってやろうという心意気なのですが、一体全体どうしてこの状態になったのか未だに良く分からない元親さんからしたらとんでもない緊張感なので必死になって止めるよ。


「っ武蔵!」
「おに。」
「お前、ほんっとに」
「おに。」
「〜〜〜〜っ!」


元親さんって真面目にお願いすれば大概の事は大目に見てくれると思ってますわたし。
というかニルの元親さんは大概の事は大目に見てくれます。
絆されやすいです。
自分の内側にいる相手なら尚更我儘聞いてしまったりします。
武蔵君はもう四国家族なので元親さんも甘いし押されたらよわよわだよ。


「ったくよォ!」
「はらくくったかおに。」
「ちげェよ。」
「あん?」
「あのなァ武蔵。」
「なんだ。」
「口付けってのはァよ、こうやンだよ。」


という事で、再びあんな呼吸困難にされたらたまったもんじゃないので優しいちゅうのしかたを教えてあげる元親さんです。
まずは唇どうしを優しく合わせて。
上唇をすって、下唇もすって。
もう一回唇を合わせて。
ちょっと舌で誘って相手の口を開かせて。
相手の舌を探して。
見つけたらやっぱり優しく吸って。
しつこいのはよくないからたまに離れて。
次にくっつけたら、今度は相手がどこが気持ちいいかゆっくり探して。
全部を暴くのはもったいないから一つ見つけたら今日はそこまで。
最後にもう一回舌を絡ませて相手の目を見ながらゆっくり離れるのです。


「は…」


漏れた息は二人分。
ちょっと息が上がった武蔵君に、ちょっと恥ずかしかった元親さん。
武蔵君は無表情ですがぺろりと自分の唇を舐めていて野性的ですいけめんかと思いますわたし武蔵君に夢見すぎですね!
いえいえ小ネタに戻ります。

少し長いちゅうが終わって変な雰囲気になりそうなところですが所詮ニルの小ネタなのでそんな雰囲気になるはずもなく。
元親さんはもういいだろと武蔵君を押しのけます。
でもそれで終わらないのが武蔵君です。


「よし、おぼえたぞおに。」
「あ?」
「もういっかいだ。」


こんどはおれさまがきもちよくしてやる。


やる気満々。
顔面蒼白なのは元親さんですが、武蔵君に気持ち良くしてもらったらいいかと思います。
教えた通りの事を実践されて、しかもいい感じに自分のものにしているものだから何かもうむさぼる勢いで食べられたらいいかと思います。
いえちゅうですよ。
あくまでちゅうですよそれ以上の事はしておりませんよ!


くらくらそしうなぐらいにちゅっちゅされて息も絶え絶えな元親さんは色々考える所はあるけれども、ちょっと気持ちよくなっちゃったりしてさっきの呼吸困難の時との違いに驚きつつ感動しつつ投げやりになりつつやっぱり最後は何か可愛いなあうちの子、というだめだめな結果にいきついて流されてしまえばいいかと思います。


「は…こんどはきもちよかったかおに。」
「てめェは…本当によぉ…」
「おに。」
「………」
「おに。」
「っ〜〜〜〜!よかったよクソが!」
「よし!」


そしてやっとこ解放されたところを明智の光秀さんに見つかるという事でひとつ。


「おやおや、随分可愛らしい有様で。」
「…明智。」
「鬼が形無しですね。」
「お前…笑ってねェで見てたなら助けろぃ…」
「ずっと見ていた訳ではありませんよ。」


通りかかったら何やら坊やと鬼がじゃれていたので。
微笑ましいなと見守っていたまで。


明智の光秀さんは一応あにきおかみ前提なんだけれども、特に嫉妬とかは無い感じで。
武蔵君は多分息子カテゴリなので子供と父親がじゃれてるなぁな感じで見守っていたかと思います大概明智の光秀さんも毒されているよ色々。
何なら責められていた元親さんが可愛いなあなんて思ってるよ。


「おかみ!」
「おもしろい事をしていますね、坊や。」


そんなものを上手くなってどうするつもりです。


「あん?」
「好いた相手でもできましたか。」


それならばお母さんは全力で応援する勢いです。
あの坊やが、と涙を出す勢いです。
でも武蔵君に限ってそんな子いるわけないので。


「なにいってんだ、まきおにするんだろ。」


……
………


は?
あ?


案の定です。
武蔵君はキネマ主に恋愛感情を抱いてるのかいないのか、私としては別に抱いてないと思うんですけれども結構執着してるので何か特別だとは思っているかもしれません。
だからその特別な感情を態度で表したいのかなというのは後付けですが、キネマ主にする前に練習台にされた元親さんはたまったもんじゃありませんね。


「あん?だからまきおに、」
あれにはまだ早いですいけません。
「あんでだよ!」


なんでもなにも、「俺みんな大好き!」なんて言ってるお子様キネマ主にそんな強烈なちゅうをお見舞いするなんて今後のキネマ主の健全な育成に差し障るのでそこは譲れない明智の光秀さん。
キネマ主がちゅうをかましたのは一応酔った時だけだったので、あんな事態をシラフで引き起こしてもらったら色々頭が痛い明智の光秀さん。
とくとくと説得してなんとか武蔵君を思いとどまらせます。
思いとどまったというか、武蔵君的には今すぐにキネマ主に会いに行くのはやめるけど、次会った時は止めるなよ!な心意気なのでまあここはおかみに免じて言う事聞いておこうと言うただのまざこんです。

武蔵君は所見の時明智の光秀さんに技使われたにも関わらず、なぜか元親さんより明智の光秀さんの方が好きです。
でも元親さんの事も本気で嫌ってる訳では無く、おかみもまきおもとるなんてずるいぞおに!なヤキモチなので大層な事はありません。
これも蛇足ですね小ネタに戻りまする。

納得した武蔵君ですがやっぱりただではすましません。
ターゲットをおかみに変更です。


「じゃあおかみとする。」
「は?」
「こいおかみ。」
「何を…」
「おかみ。」
「…、」


面食らうのは明智の光秀さんです。
突然思っても見なかった事を言われて目を見開いているうちに最初のくちづけを奪われてしまいました。



「ぼうや、」
「さいしょはやさしくすんだぞ。」
「…くすぐったいんですよ。」
「わらうなおかみ。」


しゅーちゅーしろ。


そんな事を言われても何だかちゅっちゅしてくる武蔵君が可愛くてしょうがないおかみ。
最初はびっくりしてたんだけれども、何か真面目な顔で自分にちゅっちゅしてくるものだからそりゃあもう可愛くて。
身内びいきなのですが、それでもおかみは坊やを可愛がっているのでね。
抵抗どころか優しく受け入れてくれます。

さっき習った通りに、でもおかみだからことさら優しくちゅっちゅする武蔵君。
舌のつけねをなぞった時におかみの肩がゆれたけど、こわがらさずにそっと離れる武蔵君。


「きもちよかったか」
「…お上手ですね。」
「おかみはやわらかいな。」


おにはしただけやわらかかった。


「ふふふ…くすぐったいですよ。」
「おかみ。」
「…、」
「きもちよかったか。」
「…お上手でしたよ。」
「おかみ。」


きもちよかったか。


「………、ええとても。」


優しすぎてもどかしいぐらいに。



あれですね。
武蔵君がクセになりそうですね。
おかみと元親さんの唇を何かと奪ってそうですね。
そこに意味なんて無いんでしょうね。
やりたからやるんでしょうねやだ武蔵君ちょう野性的。


でもって書きたかったところは武蔵君が元親さんにちゅうを教わるところと、武蔵君がおかみにちゅうをするところだったので吐き出せてすっきりしたのですが、これこのまんまだとあにきおかみとしてどうにも収拾つかずオチも見当たらないので一体どのように締めたらいいのか分かりませんまがお。
元親さんが黙っているはずないのでべりっと明智の光秀さんと武蔵君を引きはがすのでしょうか。


て め え は 人 の モ ン に 何 や っ て く れ て ん だ こ ら …!


明智の光秀さんは武蔵君に嫉妬しないけど、元親さんは武蔵君に嫉妬すると思うんだ。


「おかみはみんなのおかみだろ!」
「かーちゃんはとーちゃんのモンだって決まってんだよ!」
「おれさまはおにがとーちゃんなんてみとめねー!」


そんな親子喧嘩が繰り広げられる中、あの子は将来大物になりますねえ…なんて唇押さえながら遠くを見る明智の光秀さんで締めたらおあとがよろしいでしょうか。
長くなってしまいましたが特に落ちも無いまま失礼したいと思います。
誤字や文章がおかしい所などは後日チェックしますね小ネタだから文が変なのはいつもの事なんだけれども今から読み直す時間が無いのでまた金曜日に参ります〜


最後までお付き合い下さりましてありがとうございました!

04/16


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