[おへんじ]お母さんお父さん兄!



「あの子はねェ、こっちの気も知らないで無茶ばっかりだからね。」


そりゃあ可愛いよ。
愛しいよ。
目に入れたって痛くないよ。
おシゲちゃんおシゲちゃんって俺を呼んでとびついてくるのなんて本当にいじらしくて。
流石うちの真樹緒だなって思う訳だよ。


「ほんとほんと、真樹緒ってば思うよりすぐ行動だから。」


確かにあのまったりした声で名前を呼ばれると確かに何でもお願い聞いてあげたくなるよねー。
甘え上手っていうか、断れないのを分かってるっていうか。
作ったご飯を美味しそうに食べてるのも癒されるし。
何たって可愛いよねぇ。

っていうか成実さんだけの真樹緒じゃないからね。
いっとくけど真樹緒は甲斐にだってちゃんとお母さんがいるんだよ。


「おやおや、これだから甘やかしてばかりの母上方は。」


あれが甘ったれになったのはあなた方が原因でしょうか。
困った事ですねえ。
ええ本当に。
あれがいつもいつもへらへらと笑っているのはいつもの事ですが、たまに見せる凛としたところは別人を見る様で目が覚める思いです。
やはり子はあああらねば。
何かと周囲をひっかり回す子ですが最近は自覚が出来て来た様子。
私も母として鼻が高くて。
まだご存知ない様なので申し上げますが、真樹緒の母に一等相応しいのはこの私ですよ。
不本意ですがね。



……
………



「ちょっと何言ってくれるの近江のお母さん!」


独り占めしないでくれる?
言っておくけど一番初めに真樹緒のお母さんになったのは俺だからね!
あの子は奥州の子なんだよそこのとこ忘れてもらったら困るんだけど!


「それも聞き捨てならないね奥州のお母さん!」


確か一番初めにお母さんって呼ばれたのは俺様だよ!
甲斐にやってきた時一番お母さんしたの俺様なんだから!


「何を言っているんですお二方。」


あれを一番理解しているのは私ですよ。
近江から四国へ、四国から辺境の地へ、果てはあれ以上に面倒を起こす坊やと共に。
私がどれほど苦労したとお思いですか。
真樹緒が今健全にいられるのはひとえに私の躾の賜です。


「はァー!?」


ふざけんじゃないよ!
ほんっとあったまきた!
ちょっと小十郎!
小十郎も何か言ってやってよ!
これは奥州家族の危機だよ!


「さすが死神だね全く憎たらしいったら!」


ちょっと新!
何黙ってるの。
そんなとこで見て無いでこっちきてよ!
俺様腹が立ってしょうがないんだけど!



……
………



「いいじゃねぇかお前ら三人共真樹緒が大事なんだろう…」
「競ってどないする…」


「違うの。これはお母さんのぷらいどの問題なの。」


全く役に立たないお父さん達だね!


「そうそう俺様の自負にかけて負けられねー。」

「おやおや、勝ち負けに拘っている時点で勝負はついたようなものですね。」

「この野郎、二度とその口開かない様にしてやろうか。」

「お忍び君手を貸すよ。」

「どうぞおいでなさい二人纏めてお相手しましょう。」



……
………



「…新。」
「何や…」
「俺は、」


俺らは。



……
………



俺らは何故ここに…!


「………(ぽん、)」

--------

ちゃんと男性陣?もキネマ主の事大事ですがお母さんを前にするとちょっと居場所が無い感じになりましたすみませ(汗)




前次
戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -