[おへんじ]さっちゃん


「やだなぁ、俺様が失敗なんてする訳無いじゃなーい。」


これでも忍隊の長やってんだよ?
思い出せる様な失敗なんて無い無い無い。


「ほんならけがは?」
「へ?」
「け が !!」


俺しってるもん。
お忍びさんがどんだけ危ないお仕事かって。
こーちゃんも見つけた時血だらけやったもん。
こーちゃん強いけど、その強いこーちゃんかってけがするもん。
強い人に出会ってもうたらけがするもん。

やからさっちゃんもけが、せえへん事ないやろう?
やってお忍びさんってとっても大変なお仕事やから!


「あー…だから、ほら俺様とっても優秀だからさ、」


怪我なんてしないんだって。
ね?
真樹緒も俺が強いって知ってるでしょ?


「さっちゃん。」
「…なに、?」
「そのポンチョ脱いで。」
「へ?」
「ポンチョ!」


ポンチョってゆうかその上着全部脱いで!
俺が背中とかお腹とかぜんーんぶチェックするから!
きずチェックするから!
さっちゃんがそこまで言うんやったら見せてくれるよね!


「え?あ?」
「さっちゃん脱げへんねんやったら俺が脱がしてまうよー。」


ほいほいちょっと失礼ー。
お腹の上失礼ー。
まずはポンチョ脱ごうねー。
これでもどうやって脱ぐんやろうねー。
後ろで結んでるん?
よっこらしょー。


「ちょっ、こら真樹緒!?」


待ちなって真樹緒!
脱げる脱げる脱げる!


「ぬがしてるんやもん。」


ほらさっちゃんばんざい。
今度は中の奴やで。
腕あげて。
引っかかるん。


「わーお、俺様風魔に見つかったら殺されるんじゃないの。」
「こーちゃんは今日お仕事やからだいじょうぶー。」


やから今日は俺がさっちゃんの体すみずみまで傷チェックするん。
もし嘘ついてたらお説教やからね!
さっちゃんの体はさっちゃんのものやけど、でもさっちゃんだけの体やない事をきっちりお説教するねんから。



「…俺様は旦那のものだよ。」



旦那の手足で。
忍で。
自分のものなんて何もないよ。


「…本気でそんな事ゆうてるんやったらゆっきーも連れて来てしかってもらうよ。」


さっちゃんが怪我したら俺泣くよ。
ゆっきーかっておやかた様かって悲しむよ。
分かってる癖にそんな事ゆわんといて。


「……敵わないなぁ。」
「ぬん!ほらさっちゃんばんざい!」
「お手柔らかにね。」
「さあそれはどうでしょー。」


ぬふふー。
さっちゃんが嘘ついてへんかったら何にもせえへんよ。
嘘ついてたらお約束できへんけど!




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