[おへんじ]鬼庭殿


「怒れる成実殿のお相手を勤めておりました。」


いやはや。
他の兵ではとても太刀打ちできませんでしたので、不肖ながら私がお相手を。
成実殿のその覇気、それはそれはお強く。
久方ぶりにこの腕が軋む程の太刀を受けました。

ですがこの私も少々入った真樹緒殿の報告に気が立っておりましたので、成実殿と刀を交わして暫く後の記憶がございません。
気がつけば道場が壊滅状態で、兵等に泣かれてしまう始末。
何ともお恥ずかしい顛末で。
この綱元、まだまだ修行が足りません。


「真樹緒殿が戻られた暁には、恐れ多くもこの腕に抱きあげとうございます。」


あの小さな体の無事を確かめ、名を呼んでいただきたい。
ですがまずはお説教にございましょうか。
成実殿からも頂くのでしょうが、そこは私も譲れませんので。


「ふふ、ご覚悟なさっていただかねば。」









ぞくっ!



「ぬっ!?」
「(?)」
「どうしました。」
「えっと、なんか、背中がぞくって…ぞくぞくって、」
「嫌ですね、感冒でしょうか。」


あなた腹を出して寝るからですよ。


「ぬーん…」


やあ、でも。
風邪のどきどきやないような。
ないような気ぃするけど、ぬん…!




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