[おへんじ]ゆっきーと甲斐のお母さん


「真樹緒殿は!政宗殿の大事な方であられると同時に、某にとっても大事な方にござる…!!」

「なーんて言ってるけど、本当の事はどうなんだかねー。」

「なっ佐助!」


お前は俺が偽りを申しているとでも言うのか!


「そーんな事言ってないでしょうよ。」


俺様は心配してるの。
旦那がさー、そんな悠長な事言ってる内に真樹緒が独眼竜にかっさらわれやしないかってねー。
惚れた腫れたを破廉恥だ軟弱だなんて言葉で戒めてちゃ欲しい物だって手に入らなくなるぜ?


「ぐぬぬ…」
「どー思ってんの、本当は。」


真樹緒の事。
大事なんて言葉よりも、もっとはっきり言ってごらんよ。


「お、俺は!」
「うんうん。」
「お、お、俺は!!」
「うんうんうん、」
「俺はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょっとちょっとちょっとー!!燃えてる!旦那燃えてるから!」


落ち着けって!
何なの!
どうしたの!
そんなに気合い入れなきゃ言えないの…!
屋敷燃やしたら俺様の監督不行き届きになるんだからね!
ちょっと落ち着け…!



「お、俺は恋などというものはよく分からぬ。」


しかし。
真樹緒殿とおれば時に心落ち着き時に心はやり。
得難い感情に胸を掻き乱す。
政宗殿を羨んだ事も少なくはない。
なぜ、真樹緒殿は政宗殿のもとにおりなぜ、俺の元にはおれれぬのかと。
思っても仕様が無い事を女々しくも。
腹の辺りに時折現れる燻りは黒々と重く俺の体を侵食している。



「ふうーん。」
「…何か言いたい事があるか佐助。」
「べっつにー。」


やー旦那もお年頃なのね。
俺様ちょっと感激しちゃった。


「ば、馬鹿にしているのか!」
「違うって。」


旦那がそうやって自分から欲しいなーって思う事初めてじゃない。
あんまりそういう欲も無いしさ。



「…俺は欲しがっているか。」



何と。
何と恐れ多い事を。


「いいんじゃない?」


俺様としては嬉しい限り。
旦那が真樹緒を欲しいって思うんならそれで。
自覚が無いのが旦那らしいけれど、俺様はそれでいいと思うよ。


「ああ、でも。」
「何だ。」
「まだ真樹緒はあげないからね。」



……
………



「…佐助?」
「ほらそういうのってやっぱりお母さんの了承をとってもらわないと。」


真樹緒にはまだそういうの早いと思うんだよねー。
ほら歳の割に幼いし。
小さいし。
まだまだお嫁にはやれないって言うかさー。
お母さんの傍に置いておきたいって親心?




……
………




「佐助。」
「俺、甲斐のお母さんだから。」


苦情は受け付けません。
まぁ、独眼竜に負けないように頑張ってよ旦那!




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