[おへんじ]双子



「あねうえ、あねうえ。」
「どうしました。」
「われらにしつもんをいただいております。」
「なんと!それはたいぎな。」
「ちちの日とははの日にわれがちちうえとははうえに何をしてさしあげるのかということですが。」


ちちの日とははの日とはいったいなんの日のことでしょう。


「きいたことがありません。」


ええ、何やらちちうえとははうえにかんする事のようですが。
ではあねうえ。
どうしました。
ここはしげおじさまに一つおちえをいただいたらいかがでしょう。
それはよいかんがえですね!


「で、俺の所に来たの。」


お嬢も坊も。


「ちちの日とはなんでございますか?しげおじさま。」


ちちうえの日にございますか?
ではわれらだてけのだいじなのでしょうか。


「ははの日とはなんでございますか?しげおじさま。」


ははうえの日にございますか?
けれどははうえのお生まれになった日はかみなづきにございます。


「うーん、俺もよく知らないけれど。」


お嬢と坊の母上に言わせると、お父上やお母上の労を労ったりお父上やお母上の事にありがとうを言ったりする日らしいよ。
育ててもらった事への感謝を形にする日なんだって。
自分達が父上と母上の事をどれだけ大事に思っているかを伝える日なんだって。
以前お嬢と坊の母上は何を思ったか俺にお花をくれたよ、母の日に。
奥州のお母さんな俺への気持ちなんだって。

「いつもありがとう」なんて言われて柄にもなく照れてしまってね。
「大好き」なんて言われて恥ずかしくってね。
けれどとても嬉しかったのを覚えてる。


「ちちうえとははうえへかんしゃを。」
「ちちうえとははうえへだいすきを。」
「お嬢?坊?」
「しげおじさま。」
「しげおじさま。」
「はい、どうしたの。」
「われらもちちの日をやりとうございます。」
「われらもははの日をやりとうございます。」


それは今すぐにしてもよいものでございますか!
われらちちうえとははうえのことがだいすきなのです!


「…、父の日と母の日は確か暦が決まっていたと思うけど。」
「「なんと!」」


けいさんがいでしたあねうえ。
まったくですわれらがおくれをとったばかりに。


「ふふ、けど大丈夫じゃない?」
「しげおじさま?」
「しげおじさま?」


どうしてわらっておられるのですか?


「きっとお嬢と坊の父上と母上はそんな暦なんて気にしないだろうから。」


今すぐにでも行って、伝えて来るといいよ。
今日が母の日じゃなくったって父の日じゃなくったっていつだって梵と真樹緒は二人が来るのを待ってるよ。


「「!!」」


「あねうえ!」
「いきましょう!」
「はい!」


しつれいしますしげおじさま!
またのちほどしげおじさま!
われらきゅうようをおもいだしました!
ちちうえとははうえのもとにいってまいります!


「はいはい行ってらっしゃい。」


廊下は走らないんだよ気をつけて。
父上と母上は西の丸のお庭にいると思うから。
見つからなかったら虎次郎か風魔を呼ぶんだよ。
連れてってくれるから。


「ありがとうございますしげおじさま!」
「われらかならずやりとげてみせまする!」


ちちうえとははうえを見つけおんれいをもうしあげて。
ちちうえとははうえを見つけだいすきをもうしあげて。
ちゅうをして。
ちゅうをして。
ちちうえとははうえからちゅうをいただいて。
ちちうえとははうえからぎゅうをいただいて。
われらがどれほどちちうえとははうえをあいしているかお伝えしてまいりまする!


「ごきげんようしげおじさま!」
「しつれいしますしげおじさま!」


それではあねうえ。
ええ、たいぎですよ。


「「いざ!」」





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