[おへんじ]お母さん達


「やっぱりお母さんと言ったら和食でしょ。」


見てご覧。
めいんはあさりと牡蠣、手作りの豆腐と菜っ葉の蒸し物でへるしーながらもぼりゅーむは満点だよ。
彩り鮮やかな豆ご飯は出汁で炊いてあって絶品なんだから。
香の物は小十郎が作った野菜を俺が漬けたんだよ真樹緒のお気に入りなのこれ。
汁には葱とすり身団子が入って真樹緒の最近のまいぶーむ、麩入りだよ。


完璧。
奥州のお母さん完璧。
この勝負貰ったね。


「何言ってんだかやっぱり男の子はがっつり腹が膨れるものじゃないと。」


うちは南蛮から取り寄せたすぱげってぃがめいんだぜ。
ちーずとべーこんがたっぷり入った食欲をそそる絶品に仕上がってるの。
汁の代わりにすーぷだって研究したよ俺様。
このぱんだって窯で焼いたんだからね!


真樹緒が「ようしょく」ってのを食べたいって言ってたの知ってるんだから。
いつも食べ慣れてる和食なんかより、断然「ようしょく」のが勝率が高いね!


「おやおや、甲斐の母上も奥州の母上もまだまだですねえ。」


真樹緒が好物なのは明の料理ですよ。
何でも最近嵌っているいるのだとかで。

豆腐を主食にした麻婆豆腐、海鮮の汁物をとろみを効かせ揚げた餅米の上にかけた海鮮御強。
口直しに甘い甘味、杏仁豆腐はいかがでしょう。
味は保証いたします。
何せ私、近江の母ですから。




「…」
「…」
「…」



「ふ、口で言っても分からないようなら手が出るよ?俺。」
「あっは、望む所だけど俺様。」


むしろそっちの方が楽。
さっさと済ませて真樹緒に俺様の料理食べてもらわなきゃならないし。


「ええ、私もどちらかと言えばそちらの方が得手でしてね。」


鎌の錆にしてやりましょう。
早くしてくれませんか。
折角の料理が冷めてしまう。




……
………




「ぬーん!」


な、なんで険悪なふんいきなん三人とも…!
美味しいお料理皆で食べたらええやん全部美味しそうやって!
和食も洋食も中華も全部大好きよ俺…!
ていうかお料理乗った御膳持ったまま戦わないでおちる!
お料理落ちるよ勿体無い…!



「大人しく待っていなさい真樹緒。」


刹那で勝負はつきます。


「俺様が勝つからお腹減らして待ってるんだよ真樹緒。」


それから俺様が作ったお料理でお腹いっぱいになってね。


「止めても無駄だよ真樹緒。」


これはね、お母さん同士の負けられない闘いなんだよ。
今日ばっかりは引けないんだよ。
安心して。
大丈夫俺が勝つから。




「えええええおシゲちゃんも明智の光秀さんもさっちゃんも待って…!」


本当にまって。
落ち着いて。
ちょう落ち着いて…!


戦うんやったらもう俺止めれやんのわかったから、でもそれお料理食べてからにしよう。
みんなのお料理食べてからにしよう。
それからでも絶対遅く無いと思うんちょっと待って…!



……
………



「…料理に椎茸を入れてねェ時点で母的に負けだろうよお前等。」
「…もう聞こえておりませんかと。」




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