[おへんじ]キネマ主とこーちゃん


「………ぬん、」
「(………)」
「こーちゃん、」
「(びく)」

「こーちゃん、こーちゃん、結婚式やって。」

「(……ふるふる、)」

「ええ、でもほらこーちゃんは俺のお嫁さんやし。」

「(……ふる、ふる、)」


白無垢やって。
白無垢。
ほら、あの花嫁さんが着てる奴。
真っ白でおっきい帽子みたいなんかぶるやつ。
可愛いよね、あれ。
花嫁さん!って感じするし。
俺もこーちゃんに似合うと思うな!


ぬん。


やからそんな泣きそうな顔してやんでこっちおいでー。
怯えたような顔してやんでこっちおいでー。
ほら結婚式のお話しよう。
俺とこーちゃんの結婚式。

白無垢は真樹埜ちゃんと政臣君が今おシゲちゃんに聞きに行ってくれてるから!
ちゃんと見つかると思うし!


「しげおじさま、こたろうがきるしろむくはほんとうにございますか?」

ははうえがしんぱいしておりました。

「こたろうはははうえのおよめさんなのです。」


ははうえとちちうえのしゅうげんは、われらがうまれてのち、おうしゅうであげられました。
そのおり、ほかのおきゃくさまはおよびしなかったとききます。
ですのでこたろうとははうえのしゅうげんはぜひ、せいだいにおこないたいとちちうえがもうしておりました。


「あら、梵が?」


えーと、確か真樹緒が着たのをとってあるよ白無垢。
大丈夫大丈夫、シゲおじ様の記憶は確かだよ。

それにしても梵が乗り気なの、真樹緒と風魔の祝言に。
しげおじ様はとってもびっくりしてるんだけど。
突然坊とお嬢が背中に飛びついてきていきなり祝言だとか言うもんだから飛び上がるぐらいびっくりしたんだけど。
梵と真樹緒が言いだしたならしげおじ様は首を横になんて振れないんだろうなぁ。


「ははうえとこたろうは、きてぃーなのです。」

「なんならふたりともしろむくでよいともうしておりましたが。」


それではわれら、おかしいとおもうのです。
ははうえのしろむくは、たしかにおかわいらしいかとおもいますが、しゅうげんははおりはかまとしろむくがめじゃーにござります。


「あっはっは!梵らしいねえ。」


その調子じゃあ母上も乗り気なんだろうね。
乗り気じゃないのは風魔だけなんだろうね。
けれど乗り気じゃないからって逃げられないんだろうね。


「あきらめな、風魔。」
「(がん!!)」
「あー!おシゲちゃーん!」
「(ふる、ふる、ふる)」


ふる、ふる、ふる、


「そんな顔しても駄目だよ。」


お前は坊とお嬢、それに真樹緒に勝てるの。


「(っ!っ!っ!)」
「よしよし、良い子だからあきらめな。」
「(………!!)」
「真樹緒ー、風魔と祝言あげるんだって?」
「そうなん、そうなん、わざわざ来てくれたん?」


真樹埜ちゃんに政臣君お使いごくろうさまー。
おシゲちゃん呼んできてくれたんありがとー。


「「ははうえ!」」


こたろうのしろむくは、じゅんびできるとのことにございます!
ははうえがおめしになったものをとってあるとのことにございます!


「ありがとうー!!」
「真樹緒は今回、羽織袴なの?」
「うい、政宗様が仕立ててくれるん。」


ちょう乗り気。
政宗様、こじゅさんと二人で今反物屋さんとお話中なん。
俺も政宗様の時は白無垢やったけどー、今回はちゃんと旦那さんとして男前に決めるつもり。
まかせて!!


「やからね、おシゲちゃんにはこーちゃんの衣装をお願いしたいん。」

「なるほど、なるほど。」


そう言う事ならおシゲちゃんに任せなさい。
真樹緒用に作った白無垢だけど、仕立て直したら風魔だって着れるよ。


「(!!!)」
「こたろうのはなよめすがたがみれるのですか!」
「たのしみです!!」


こたろうはかみのいろがきれいなので、しろがはえますね!
まきのはおてつだいしとうございまする!
あねうえずるいです、まさおみもおてつだいいたします!


「(っ!?)」
「さあ、こたろう!」
「われらとまいりましょう!」


「「しげおじさま!」」


「はいはい、針と糸を持って来ようね。」
「「いそいでくださいませね!」」


「行ってらっしゃーい。」


ぬんぬんそれでは俺は政宗様のとこに行きましょか―。
こじゅさんと政宗様が一生懸命反物選んでくれてると思うからー。
こーちゃんの白無垢もちょう楽しみねー。
おシゲちゃんお仕事早いからすぐにこーちゃんの花嫁衣装見れるよね!


「ぬふー。」


ちゃんと結婚式には招待状出すからね。
俺とこーちゃんの結婚式。
みんな見に来てくれると嬉しいわ!
こーちゃんの花嫁姿も俺の花婿姿も楽しみにしててね!




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