[おへんじ]キネマ主と政宗様


「Hey!真樹緒!準備は出来たか!」
「あー!政宗様!」


おっけーおっけー、準備万端!
ちゃんとおシゲちゃんが作ってくれたおニューな着物も着たしー、政宗様がプレゼントしてくれた髪飾りも付けたよ。
こーちゃんからのお花もその横に刺さってるん。
もちろん虎次郎がくれた綺麗な石も首飾りにしてちゃんとつけてるからね。
鬼さんとこじゅさんが選んでくれた綺麗な飾りのついた扇と小さい刀も持ったよ。


見て。
完璧!


「so cute!!」
「ぬん!」


ありがと!


あんな!
きょうは俺の誕生日なんやで!
十月の十八日目。
この日は俺が生まれた日。


三日ぐらい前にね、俺の誕生日もうすぐやなぁって政宗様にお話したん。
ほら、寝る前に。
いっつも俺と政宗様一緒に眠ってるやろう?
その時にね、ふと思い出したからゆうたんやけどゆうた途端政宗様ががばっとお布団から起き上がってやぁ。


「真樹緒、その話は本当か。」
「ぬ?どのお話?」


寝る前はいっぱいお話したよ?
虎次郎の頭にカマキリ乗ってたお話?
おシゲちゃんがくしゃみしてたお話?
鬼さんがお馬に髪の毛むしゃむしゃ食べられてたお話?


どれ?


「お前のBirthdayに決まってんだろう。」


何でもう少し早めに言わねぇんだお前真樹緒。
お前のBirthdayっつったらあれだろう。
この奥州で何を置いても優先される一大eventじゃねぇか!!


……
………


「え、そうなん?」
「当たり前だ!」


それを俺が知らなかったっつー事にも腹が立つが、たった三日でお前のpartyの準備がどれほど出来ると思っている。
せめて一月前には教えてほしかったぜsweet。


「やぁ、俺も忘れててー。」
「こうしちゃいられねえ!」


ちっ!って舌打ちをした政宗様は俺のおでこにちゅうしてな。
「先に寝ておけ」ってちゅうして、お部屋を出て行ったん。
廊下は走ったらあかんのにドタバタドタバタって足音立てて政宗様が走っていく。


「成実ー!小十郎ー!綱元ー!風魔!」


皆の名前呼んで足音が遠ざかって行ったん。
こんな夜中に何のご用事やろう。


ぬー。
せっかく政宗様にくっついて寝ようと思ってたのに!


その後俺は結構頑張って待ってたんやけど結局政宗様が帰ってくる前に眠ってもうてて。
朝起きたら政宗様は普通やったから全然気にしても無くて。
とうとうやってきた俺の誕生日。


朝起きたら皆からのプレゼントが枕元に並んであって。
二度寝の誘惑も何のその、一気に目が覚めた訳です。


「政宗様。」
「Ah?」


どうした。


「ありがと。」


ありがと政宗様。
俺とっても嬉しい。
こんなにお祝いしてもらえてとっても嬉しい。


背伸びしてつま先立ちで頑張って、でもやっぱりお口にはとどかへんくって政宗様のあごにちゅう。
政宗様はびっくりしてたけど、すぐに笑ってぐらってゆれた俺の体を支えてくれた。


「小十郎達にも言ってやれ。」


お前に上手いものを食べさせるのだと朝から腕を振るっているぜ。
広間には今頃食いきれねぇ程の料理が並んでるだろうよ。


「!まじで!?」
「風魔が部屋を飾ってたな。」


どこから集めて来たのか花だらけだ。
この時期野草といえど花開いているものは早々無いというのに。


「こーちゃんが…」
「礼を言っておけ?」
「ちゅうもしていい?」
「逃げられねぇようにな。」
「うい!!」


そうよねー。
こーちゃん照れ屋さんやもんね!
大丈夫。
ちゃんとしっかりこーちゃんにしがみついておくから大丈夫!
やぁやぁ、みんなありがとう!
おれすごい嬉しい!!


ありがとう!



「あ、そうや政宗様。」
「どうした。」



あのね!
ちょっとお願いなんやけどね!
明日の十九日目の日がね、誕生日の子がおるん。
ほら俺と一日違い!


すごい偶然よねー。
素敵な偶然よねー。
これは他人ごとや無いとおもわないー?


「ちょうどお手紙がきててやぁ。」


一緒に誕生日パーティーしていい?って。
俺もね、人数が多い方がたのしいと思うん。
何せ俺と誕生日一日違いやし!
こんな機会もう無いとおもうん!


「ごいっしょしてもいい?」
「お前がそうしたいなら。」


俺達に何の異存もねぇよ。
呼んでやれ。
お前が楽しいのなら結構だ。


「ありががと!!」


やぁやぁ聞いた?
聞いてくれた?
一緒に誕生日パーティーやってもええって!
政宗様が優しく笑ってくれたよ!


おシゲちゃんと鬼さんが腕をふるってくれたお料理一緒に食べようね。
こーちゃんが飾りつけしてくれたお部屋も見ようね。


ぬん!
楽しみ!


もうちょっとしたら始まるから遅れやんように来てね!
俺皆で待ってるから!




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