[おへんじ]稲荷とキネマ主
「花ちゃーん、後むいてー。」
「きゅう。」
「リボンつけるよー。」
「みみにきをつけてな!」
「ういうい。」
後はこのやけに長いくつしたはいてー。
このスカートの丈をちょっと上げて―。
ぬー。
かんせい!!
「きゅう!」
「花ちゃんかわいい!!」
「まきおもかわいいぞ!」
でもこのすかーとってやつ、みじかすぎやしねぇか?
それにそんなにへそを出してたらはらがひえるぞ?
このすそのひらひらしたやつはきれいだけどな!
「やぁ、ちょっと短いかもね。」
うんそれは俺も思ってた。
でもこれ衣装らしいからやー。
着とかなあかんやん?
足はすーすーするし、お腹さぶいけどほら俺らこれから皆の前で歌う訳やしー。
「いやいやいやいやいや。」
「wait、waitだ真樹緒。」
「花ちゃんもちょっと落ち着こう。落ち着いて一度鏡を見てみよう。」
「あれ、政宗様!」
「きゅうさすけじゃねぇか!!」
やぁやぁ今日はね。
俺と花ちゃんの記念すべきでびゅーの日やねんで!
何のでびゅーかって?
あのね、いっつも俺らを応援してくれてる人がね、二人でユニット組んだらどう?ってゆうてこの衣装くれたん。
とっても応援してくれてるから俺らもご期待に添わなあかんやん?
それに花ちゃんとユニットってちょう楽しそうやし!
ひらひらな衣装は女の子用でちょっと恥ずかしいけど、花ちゃんが可愛いってゆうてくれるしー。
花ちゃんはもちろん可愛いしー。
「そんな為りを他の奴らに見せてたまるか。」
何だこれは下穿きか。
足と腹を見せすぎなんだよ成実が見たら卒倒するぞ。
ほっせぇ足さらして誘ってんのかsweet
「いい、花ちゃん。」
それを着た花ちゃんはとっても可愛いよ。
旦那が見たらきっと鼻血を吹くぐらい可愛いよ。
でも見えてるから。
可愛い褌見えてるから。
しっぽも丸見えで背中も丸見えで、俺本当旦那に鼻血を吹いた後殺されるかもしれないからこんなの着る事許したら…!
「えー…でも、花ちゃんはキュアいなりでー。」
俺はキュアすまいるなん。
ほら俺いっつも笑ってるって花ちゃんがゆうからスマイル。
キュアすまいるとキュアいなり。
今はやりの。
「きゅあいなりだ!!」
「キュアスマイルなん!」
「「却下(だ)」」
「ぬーん!!」
「きゅう…!!」
「そんなにその衣装で居たいのなら俺の前だけにしろ。」
他の野郎の目に晒してさまるか。
おら、行くぞ。
「花ちゃんのお尻は俺が守る。」
さっさと着替えるよ。
ぷりぷりなお尻丸見えなんて俺様許さない。
「えー!!はなちゃーん!!」
待って!
待って政宗様とさすけさん!!
俺と花ちゃんこれからお披露目!
折角今まで秘密にしてたのにー!
おシゲちゃんやこじゅさんやこーちゃん鬼さんにお披露目するのに!
「まきおー!!」
こらはなさねぇかさすけ!
まきおとやくそくしたんだぞおれ!
これきてうたをうたわなきゃならねぇんだ!
「それこそ大目玉だぞお前。」
「旦那が見たら倒れるよほんと、」
「ぬーん!!」
「きゅうー!!」
そんな溜息はかないでー!
せっかく!
せっかく俺ら準備万端やったのに!
「じゃあね青い人、俺様達これで失礼するから。」
もう本当に素直なお稲荷様で困っちゃうよ。
これからたーっぷりお説教しなきゃならないから俺様達行くね。
「おうよ、もう二度と会わねーだろうがな。」
全くだ。
何に対しても疑わねーのはこいつの美徳だが、これは確かに頂けねぇな。
お仕置きが必要だ。
Good bye!
「ぬーん!政宗様はなしてー!」
「こら!さすけ!てをはなさねぇかー!」
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