[おへんじ]噛まれた皆様


おシゲちゃんの場合

「かぷりー。」

……
………

「何、真樹緒。」

突然どうしたの。
おシゲちゃん今えんどう豆の筋とってたんだよ縁側で。
結構真剣だったよ。

真樹緒さっきまで風魔と二人屋根で日向ぼっこしてたんじゃないの。

「やぁ、おシゲちゃん見えたから。」

その背中に飛び込んでいこうと思ってー。
ほんでいざ飛び込んでみたらおシゲちゃんがえんどう豆に夢中やったからちょっと構ってほしいなーって思ってー。
耳かんでみたん。

どお。
びっくりした?

「…心臓が口から飛び出る程ね。」

何、今ちょっと自分が奥州のお母さんだって事忘れるとこだったよ。
危ない危ない。
うっかりおシゲちゃんの中の何かが目を覚ますところだったじゃない。

「おシゲちゃんおシゲちゃん。」
「うん?」
「俺もえんどう豆お手伝いしてもいい?」

ひまなん。
かまって。

「…もう耳噛まない?」
「うぃ。」
「ならほら膝おいで。」
「おひざ!!」


こーちゃんの場合

「かみかみー」
「(っ!!!???)」
「あ、こーちゃんびっくりした。」

やぁやぁ、こーちゃんがお空ばっかり見てるからー。
俺としてはちょびっと寂しいなーって思って。
耳を噛んでみたんやけど。

「(っ!っ!っ!)」
「あれ?痛かった?」

そんな強く噛んだつもりなかったんやけどなー。
こう、かぷっといったつもりやったん。
そんなにびっくりせんでもやー。

「(ふるふるふるふる)」
「ぬ?かんだらあかんの?」
「(だめ)」
「いたかった?」
「(…ふるふる)」
「でもあかんの?」

「(………)」

お の れ
い が い は
だ め


政宗様の場合

「かーぷ、」
「おっと、sweet!」

今日は何のいたずらだ?

「わぁ!!」

政宗様!!

やぁ政宗様俺がおるん気ぃついてたん?
せっかくびっくりさせようと思ってぬき足差し足で忍びよってたのに!!

「お前の気配ならどこにいても。」
「ぬー、みつかっちゃったー。」

ほんで捕まっちゃったー。
お耳かんでびっくりさせようと思ってたのにー。
こーちゃんとおシゲちゃんは成功したのにー。
まさか政宗様にばれるなんてー。

「ぶう。」
「耳?」
「うい。」

こうやって背中から忍び寄ってね、こっそり耳をかぷっと噛んでみたん。
ほんなら二人とも飛び上がってびっくりしてたんよ。
やから政宗様もびっくりするかなーと思ってやぁ。

でもばれてもうた。

「ざんねん!」

「くく…」
「ぬ?」
「そんなに噛みてぇなら。」
「政宗様?」
「俺がそのcuteな耳を食らってやるぜ!」
「ぬー!政宗様何するんー!!」

こちょばい!!


さっちゃんの場合

「かみかみかみ。」
「…、」
「あれ?」

さっちゃん?

「ぬー…も一回、かみかみかみ。」
「……」

ぬー?
さっちゃんー?
なんで何も言うてくれへんの?
なんで反応ないん?

もしかしてねてる?
寝てしまってる?
やぁやぁ、俺がせっかくさっちゃんをびっくりさせようと思ったのにー。
やだわー。

「ぶう。」
「そんなとこで何してるの。」
「ぬ?」

かぷり

「ぬー!!俺のお耳!!」

ええ、さっちゃん何で!
目の前にさっちゃんがおるのに何で後ろから更にさっちゃんが!!
しかも俺のお耳!!
かまれた!
俺が噛もうと思ってたのに…!

「それ俺の影分身だよ。」
「…!まじで!!」

ぼひゅん

「あ、消えた!」
「真樹緒がいけない事するから消えちゃったじゃなーい。」
「ぬー…俺がさっちゃんの分身のお耳噛んだから?」
「びっくりしたんじゃない?」
「ぬ?ほんま?」
「俺様だって後ろから見ててびっくりしたよ。」
「まじで!」

ぬんぬん。
それならまーいっかー。
俺も驚かされたけど、さっちゃんの分身もびっくりしたからいいかー。

さっちゃんもびっくりしたってゆうし。
ぬん。
おあいこね!!

「でも何で耳なの。」

さっちゃん本当にびっくりしたんだから。
思わず甲斐のお母さんさっちゃんから猿飛佐助のさっちゃんになるとこだったんだから。

「やぁ、びっくりさせようと思っただけー。」

お耳が一番びっくりするかなーって。

「うわぁ、もう可愛いから俺様何でも許しちゃう。」


こじゅさんの場合

「あ、こじゅさん寝てるー。」

あれやぁ。
こじゅさんにもお耳かみかみしようと思ってたんやけどー。
こんなに気持ちよさそうに寝ちゃってたら何だか邪魔できないわー。

やってこじゅさんがお昼寝してるんってめっさ珍しいんやもん。
やからちょびっと観察するん。

「やっぱり男前よねー。」

前髪がちょっと下りてるのが可愛いー。
最近またおつかれかしらー。

ちょっと近づいてこじゅさんの顔をじー。
そおっとこじゅさんのお膝にのって。

「よいしょ。」

ゆっくりやすんでなーこじゅさん。
ほんで起きたら俺にかまってねー。
しばらくここでこじゅさん見てるから!

でもお耳は皆にやってきたからこじゅさんにもさせてねー。
ではではこっそりかみかみー。

「かぷり」
「ん、…」

ぬう、こじゅさんちょっぴり動いたけど大丈夫!
まだまだぐっすりですよー。
ほんなら俺はしばらくこじゅさん観察!
男前の寝顔をじゅうぶんたんのうします!


……
………


「……あ?」
「すぴー…」
「…真樹緒?」

何だ。
一体何なんだ。
これは一体何事だ。




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