好きな色
満開の花を見ていたら、おぼろ気に恋心が蘇った。
「何してんの?」
少しずつだが散り始めた桜の木のしたで、じっと佇むルルーシュにスザクは首をかしげ尋ねる。
「…この花を見てた」
「桜を?」
「サクラ?」
ルルーシュは「そうか、これが…」と呟く。
桜という花は、ブリタニアでは咲いておらず本でしか見たことがなかったが、ルルーシュは桜という花が好きだった。
ブリタニアで別れてしまった、あの少女の髪と同じ優しい色だったから。
「綺麗な花だね、桜は」
ルルーシュの言葉にスザクは得意気に鼻を鳴らす。
「当たり前だろ!桜はこの日本を代表する花なんだからなっ!」
ルルーシュはそんなスザクの様子に心の中で苦笑した。
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