さようなら


ねぇ、あなた達はあの頃の様に笑えるようになれるかな?







「ああ、…スザク…」





瞼が重たくて重たくて仕方なくて。
スザクに繋いで貰った手が冷たくて冷たくて。

わたしは死ぬんだな、と分かった。







ね、スザク。
泣かないでほしい。
わたしは貴方に笑顔でいてほしいの。
悲しんでほしくない、傷付いてほしくない。
いつだって、幸せでいてほしい。

学校は絶対に行ってね?友達がいるんでしょう?
失っちゃ、ダメですからね。

あと、貴方が好き。
大好き。




あのね、ルルーシュ。
わたし、ナナリーの為よ、なんて偉そうに言ったけど、自分の為でもあったの。
また、ルルーシュとナナリーと、子供だった頃のように一緒にいたかったんだもの。
アリエスの離宮で過ごした日々は忘れられない、特別なものだったよ。

どうして貴方に撃たれたのか分からないけど、わたし、貴方が大好きだった。




ねぇ、ナナリー。
学園祭で貴女に会えたこと、本当に嬉しかった。
昔のこといっぱい話したね。本当に懐かしかった。わたしはやっぱり貴女が大好きなんだなぁって思ったのよ。
あのね、「特区日本」、成功したって。
これで、貴女とルルーシュが何にも脅かされず、暮らしていけると良いのだけれど…。




お姉様。
喧嘩したまま、お別れすることになってごめんなさい。
謝ることは出来ないけれど、せめて伝えたかった。
「お姉様が大好き」と。
わたしはいつもお姉様に甘えてばかりでごめんなさい。少しでもお姉様の支えになりたかったのだけれど、役に立てないままでしたね。
…あのね、ルルーシュとナナリーが生きていたんです。
どうか、あの二人が穏やかに暮らせるよう、見ていてくれませんか?
最後のお願いです。
こんな妹でごめんね。







ねぇ、あなた達は幸せになれるよね?
笑顔でいてくれるよね?



…そう信じて、わたしは目を閉じます。
もう、開けていられないの。
口も開けない。



「貴方に、逢えて………」



あなた達に逢えて、本当に良かったわ。


あのね、みんな。

大好きよ。







―わたしは、あなた達がいてくれたから笑えたのよ



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