備えあれば


「ルルーシュは、ごほんをよんでばっかりなのね」



全体重を異母兄に預け、ユーフェミアはふと呟いた。


彼女と異母兄がいるのは、城から少し離れた庭園。
広い大地に惜しみなくひかれた草原という名の絨毯がとても美しい。



「ユフィ、本をよむのは、良いことなんだよ。」



ルルーシュは何冊も重ねられた分厚い本の中から、比較的薄い本を抜き取り、ユーフェミアへ渡した。



「ユフィも、よんでみるといい」

「…ごほんをよんで、なにがいいのかしら?」



一応、本自体は受け取ってみるものの、どうもルルーシュが読む本は全て、ユーフェミアには難しい。

あまり、というか、かなり興味がわかない。



「あたまが良くなるんだよ」



いろんなことを頭に詰め込んで、自分に知識を身につける。
それは、必ずいつか役に立つと思うんだ。



「ルルーシュはいまでも、じゅうぶんあたまいいじゃない」



なのに、まだ頭を良くするつもりなのか。
ユーフェミアの目は大きく大きく見開かれている。

ルルーシュは本から目を離し、ユーフェミアを見つめた。
そして、微笑む。



「だめだよ。
僕はもっと、あたまが良くなりたいんだ」












だって、これから先に何が起こっても、変わらずに君とこうしていたいから。






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