おにぎり×勘違い


「うぅっ!?」


セシルさん特製のおにぎりを頬張ったユフィは、途端に血色の良い顔を真っ青にした。


「…い、いちごジャム…?」


数時間前、
ユフィとお忍びで街に行くことを知ったセシルさんがわざわざ僕たちのために、とお弁当を作ってくれた。
すごく嫌な予感はしたのだけど、セシルさんにまるで聖母のような笑みを向けられて、つい受け取ってしまった。

予感通り、お弁当の中にはたくさんのおにぎり達。

セシルさんの手作りと言うことで、僕の制止もきかず、ユフィは嬉しそうに一つ手にとり、口へ運んだ。


「…ぉ…美味しい…です、ね」


顔を真っ青にし、額に汗を滲ませながらもユフィはにこにことおにぎりをつまんでいく。

嗚呼!そんな、無理しなくて良いのに…!


「…スザクはこういった料理が好きなのね。
わたしも今度作ろうかな?」


相変わらず顔を真っ青にし、額に汗を滲ませながらもにっこりと微笑む愛しい人。




ユフィが作ってくれるなら、本当はなんでも嬉しい。


嬉しいんだけど…、



セシルさんの真似だけは、どうかやめてください…!!






そう切実に願う僕は絶対間違ってないはずだ!




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