君という人



初めて出逢って時は
なんて無茶苦茶な人なんだろうと思った。

空から降ってくるし
嘘は尽くし
猫とは話してるし
マネキンの真似するし
学生をビンタするし
ナイトメア同士の戦闘に入ってくるし
………実はお姫様だし。

ころころ変わる表情や、ふわりとなびく髪に魅せられる。


僕を気遣い、学校にも行かせてくれた、優しい人。

僕が次にあの人と逢ったのは、僕が彼女の騎士になってから。
あまりにも突然な、騎士への就任。
僕はただただ驚き、周りに流された。


「勢いだったんです。
スザクは一生懸命戦ってくれてるのに、認めてくれないのが、わたし悔しくて…」


彼女は申し訳なさそうに、笑う。


「でもね!今度は勢いでもなんでもなく、貴方を騎士に選んだの!わたくしがスザクが必要だから!」


その彼女の気持ちに
僕は心が暖かくなるのを感じた。


―ああ、僕は
必要としてもらえる…


「僕もあの時は、状況に流されて貴女の騎士になりました。
でも、今は心から貴女の騎士として、ユフィを守っていきたいって思ってるんだ」


僕の言葉に、彼女は嬉しそうに微笑む。


「これからゆっくりでも良いです。お互いのこと、理解していきたいですね?」

「うん」


初めて出逢って、別れた時は、きっとこの人ともう二度と会えないと思ってた。


でも、こんなにも近くにいる。
僕はそれが嬉しくて仕方ない。


貴女は今、僕のかけがえのない人。







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