世界でいちばん
「実は今日、ラクスにプロポーズしたんだ」
照れ臭そうに告げるアスランさんに、僕は目眩がした。
―やっぱりもう無理だ。
そんな風に弱気になりそうになる自分を振りきりたくて気付いたら走り出してた。
僕はダメ元をやりに来たんだ。
ラクスとアスランさんの答えを知るために来たんじゃない。
自分なりの答えを出しに来たんだ。
―本当に駄目だったと思ってるのか。
お前はなんのために過去に戻ってる。
コレが最後のチャンス、僕にチャンスが与えられたこと、僕に後悔させないで。
過去に戻ってくる度に僕はひたすら走って来た。
何が正しい道かはわからないけど、ただただ走り続けることしか出来なかった。
ねえ、ラクス。
君の心に何か届いているんだろうか。
離れていこうとしている君との距離を少しでも変えることが出来たんだろうか。
でも、一つだけ確かなことがある。
僕は今でもラクスが好き。
どんなに離れてしまったとしてもこの気持ちだけは変わらない。
ラクス、世界で一番君が好き。
「ラクス!!」
「…キラ?」
「っアスランさんにプロポーズのこと聞いて…」
「ああ…」
ラクスはゆっくりと綺麗に笑った。
「結婚や家庭って、もっと遠くにあるものだと思ってました」
「…ラクス、僕」
「…わたくし、お受けしようと思います」