短くて小さな恋の噺 | ナノ


声(銀次→夏実)



『いってらっしゃい!頑張ってね!』



奪還の依頼を受け、ホンキートンクを出る度に、夏実ちゃんが必ずそう言ってくれる。




なんでかなぁ?

夏実ちゃんが送り出してくれるとすっごい元気が湧いてくるんだよね。


コンセントに指を突っ込んだり、電線に感電した時に出る元気と全然違う。
こう、体の中心がぽわっと温かくなるような、そんな感じなんだ。

夏実ちゃんが『いってらっしゃい』って言ってくれると、勇気が沸く気がする。



なんでこんな気分になるのか蛮ちゃんに聞いてみたら、なんでか笑われちゃった。
…俺、何にも変な事言ってないんだけど。





まぁ、いっか!

とりあえず、今は仕事に集中集中!!


早く依頼品を奪還して、夏実ちゃんの所に帰るんだ!



きっと夏実ちゃんは、ボロボロになった俺たちを見てビックリするけど、でもすぐに


『おかえりなさい!!』


って、あの満面の笑顔で迎えてくれると思うんだ。





ああ、そんなことを考えてたら、
早く夏実ちゃんの声が聞きたくなってきたなぁ…。








「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -