時の住人 | ナノ
考え中

部活見学をした翌朝。
私は昨晩思い出した手紙を読んでいた。
あのあと思い出したものの、疲れ果て寝てしまっていた。
そのため、朝、早起きをしてシャワーなど色々した後に読んでいた。
手紙の中の紙には、大体こう記されていた。
《花奈さんが好きです。
付き合ってください!
今日の放課後、校舎裏で待っています。
2年野島康太》
これは要するにすっぽかしてしまった…ということになってしまうのかな?
同じ2年でもクラスが一緒にならないと同級生すら認識できない。
野島くんとはどの子でしょう?

「はぁ、やっちゃった。」

リビングにいたため、父母が「ん?」と振り向いた。
何か誤解したかもしれない。

ご飯も食べたし、歯磨きもした。
弁当持ったし、忘れ物もない。

「行ってきます。」

「「行ってらっしゃい。」」

父母に見送られ、私は早めに家を出た。
学校までの道のりで私はどのようにして謝ろうかと考えていた。
すっぽかしてしまった事は事実なのではっきりと言えばいいだろうか…。
野島くんの顔が全然わからない…。
…告白の事に関しては、付き合えないと断ろうと思っていた。
なんせ顔も名前も知らなかったのだ。
付き合えるはずがない。
相手の事を知らな過ぎる。
私はああだこうだ考えているうちに学校の校門まで来ていた。
知らぬまに着いてた…。

「はぁ。」

「どうした?花奈。」

急に声をかけられ驚いた。
私の後ろに立っていたのは高貴だった。

「何だ、高貴か。おはよ。」

「何だとは何だ!おはよう。で、何してんの?花奈にしては珍しく早いじゃん。」

まぁいつもは遅いバスで来るから…。
でも今日は昨日の…

「はぁ。」

「ため息ついてどうしたんだ?悩み事か?」

「まぁそんなもん。…朝練いいの?行かなくて。」

あっ!と思いだした様子に呆れていた。

「じゃあ俺行くわ!また後でな!」

グラウンドの方へ走っていく高貴の後ろ姿を見送った。
高貴はサッカー部に所属している。
人数は結構いるがそこまで強くない。
って言っちゃダメか、はは。
一人になった私は玄関へ向かった。
朝早いためか人がいない。
開放感のある玄関に驚いた。
明日から早い時間のバスで来ようかな。
なんて思っていた。
玄関で靴を履き変えていると、後ろに気配を感じた。
ビックリして振り返ると男の子が立っていた。

「えっと…私邪魔かな?」

靴を履き終えたので場所を譲ろうとどこうとしたら、手首を捕まれた。

「…な、んでしょうか?」

「…!…あっえっとその…。」

顔を赤くした彼は手を離した。

「俺のこと、わからない?」

「 ? 」

私は首を傾げた。

「昨日の…手紙の…」
「あー!野島くん!?」

校門で高貴と話しをして玄関に来てみたらもの凄い開放感があったのに感動していて手紙の事を忘れていた。




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