中学のバスケを見なくなって、キセキの世代を見なくなって1年。高校バスケと中学バスケじゃ場所が違うもんね。見る機会なかったもん。
 成長のさかりだろうし、当然なんだけど。1年でこんなに変わるんだ、って感じ!

 でも、なんだろー。楽しくないんだろうな、っていうのがよくわかった。確かに実力は圧倒的だしそれ自体はすごいと思う。でも勝つことが楽しくなさそう。
 前からこんなんだったっけ。あんまり覚えてないなあ。こんな近くで見たの初めてだもん。近いからわかることなのかも知れないね?

 …ようするに。確かにすごい。けどちょっと残念だった。残りの2割がわかった気がする。
 ま、外野は黙ってろ、ってね。個人的な感想を持ち込むことはしないよ。

「ねえ、若!」
「うるせー、話しかけんな」
「八つ当たりはよくないよ!」
「ああったく…なんだよ」

 結果はやるまでもなく青くんチームの勝ち。ていうか、青くんいれるとだめだねー。他の子のプレイ全然見れなかったもん。
 青くんとの差に、主に1年生がやる気なくなっちゃった感じ?2年生の一部も顔真っ青だったけど。

「何人、辞めちゃうかなあ」
「知るかよ」
「若は続ける?」
「当たり前だろ!あーうっぜえむかつく!」

 それならよかった。つぶやきながら若の隣に座る。ふわりとすこし冷たい春の風。今日は桃ちゃんに鍵を任せているから待ち時間ができた。

「若はかっこいいなあ」
「あぁ!?なんだよ突然!」
「ん?なんとなく」

 若ってもーほんと熱苦しいんだけど!そうやって何かに燃えてるのってかっこいいよね。圧倒的な実力差を目の前にしたってそれは消えないんだ。

 男の子って、いいなーっ!

「あ、ちなみに今日だけで数人、入部辞退きたよ!」
「だろうな。ったく、萎えさせんのは他校だけにしとけっつーの…」
「ねー!でも、本気具合がわかりやすくなっていいんじゃない?」

 うっわあ、とでも言いたげな表情。若ってばすぐ顔にでるんだから!

「お前まさか、試してたんじゃねーよな」
「え、何を?」

 …試す??わたしは単純に、1年生がどんなもんできるのかなーってのが見たかっただけなんだけど。

「さよは無自覚に性格悪いことするからなあ」
「おっ、翔くんお疲れさまでーっす」
「ワシ放ったらかしで若松口説くなんてひっどいわぁ」
「「!?」」

 ななななななん!?口説く、て、なんでそうなったの!?

「それとも逆か?若松がさよ口説いとったん?そらあかんわあ」
「は!?違うっすよ!!こんなガキの面倒見れるのは今吉さんぐらいっす!」
「ガキっ…!?」

 あーーもうむっかつく!なんなのガキって!前言撤回、ぜーんぜんかっこよくないっ!

「当たり前やろ。何年面倒見とる思うてんねん」
「まず!ガキってとこを!訂正してよ!」
「間違うとらんやろ?」
「間違ってますーーー!!」
「そういうとこがガキ言われんねん」

 ……もういい。わかった。喋らない。決めた。

「…藍白、拗ねてんすけど」
「放っとき、そのうち口開くわ」
「……」

 自分の部屋までお口ちゃっく。絶対。

「さーて、帰るでー若松。さよは置いてくけど」
「えっ置いてかないでよ!!」
「…な?すぐ口開くやろ」
「あ」


きらきら輝いている / 140518

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