期間限定イベント
先週、先々週とほったらかしにされたのに、今週はなんなんだろう?と、本人に聞けば「別に?なんとなく」なんて答えられることは予想ができるし…。はてさてな。
試しに。今日収録終了の打ち上げ。出るな、なんて昨日言われてしまったけど、出てみたり。いや、そもそも最初に言った時はまぁ、それなら。なんて言ったくせに、次の日になって行くなだよ?どんな心変わり?わけがわからない。
「奈々子ちゃん飲んでるー?足りないんじゃない?」
「飲んでますし、足りてますよー?」
さっきから妙に代わる代わる声かけられてますが、皆さんのほうが、より精密に出来上がっちゃってますよ?
「奈々子ちゃーん、ポッキーゲームしゅよー」
「どこにもポッキーないから却下でーす」
というか舌回ってないですよー。本当に大丈夫ですか?
「奈々子ちゃん、二人で抜け出さない?」
「出しませんよ。というより彼氏持ちですってば」
数少ない、たった一人の女の子の共演者は気づいたら潰れてる?いやいやいや、無防備だって!
「でも、俺さー」
近い!体を引こうとした。後ろから乗っかられるようにされた。
「奈々子ちゃーん!」
「邪魔しないでくれよなー」
後ろから聞こえるこの声は、まったく…。
「抱きつくの好きですね」
まだ腕が回っている場所が首だから、なんというか可愛らしく思うことはできるけど。今度は横に強く引っ張られた。
「これはお前らのじゃない。俺のだから返してね」
「はい?」
家まで連れ帰られて。
「浩輔、なんのつもりでしょう?」
「わからない?本気で?」
「気まぐれ?いつもハグなんてほっとくじゃん」
いつもよりムッとした顔がある。いつもに比べたら、らしくない。ムッとしてるというより、切羽詰まった?
「だーから、前に言ったっしょ?俺は心広くないって」
「言ってたっけ?」
「そ。だから、限界」
さっきされたように後ろから抱きついてくる。右手は右手、左手は左手で繋いでくる。
「奈々子は俺の。だから今日行かせたくなかったんだし」
「ヤキモチ?」
「そんなもんじゃないよー?」
さらに上?レベル高っ!
「他のヤローには見せたくないぐらいだねぇ」
「じゃあ先週とかのほったらかしはなに?」
「我慢期間?」
…なんて返せばいいんだ?というかなんと言ったら効果が出るんだ?
「やっぱ離れたら無理」
「はいはい」
振り回されるしかないかも。
fin
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