必須項目日々精進


ここのところ、よく絡まれる。かと思えば、遠巻きに見られてる。なんなんだ?そんな繰り返しなある日。

「達くんがやらないなら僕がやるから!」
「や、や、俺やるし!」

帰り際、呼び止められたものの、一向に話の始まる気配はないし、なんなんだかなぁ。

「というか、この場合、やる。より、言う。じゃない?」
「バカ渉。んなことどうでもいいんだよ」
「そっか。よし。ねー奈々子ちゃん」
「は?ちょっ、渉!」
「え?なに?」

…ほんと、なに?なんなの?ここまでしっかり待ってる私、ちょっと偉くない?それともなんだ?舞ってたほうがよかったの?

「抜け駆けすんなって言ったばっかだろ?!」
「だって、奈々子ちゃんをあんまり待たせたら、」
「あーそっか!…俺が言う」
「あぁ!ズルいって!」

いや、中々辛辣な意見を言わせていただければですね、お二方とも、阿保丸出しです。

「あ、」
「「え?!」」

今、ウォークマンで聞いてて思いついた。

「達央さんも渉さんも、歌ってる時、かっこいいですよね」

ずい、と達央さんが前に出てきた。

「今度、カラオケ行かね?俺と二人で」

そんな達央さんを引き戻して、自分が前に出る。

「達くんより僕と、その、二人でじゃダメ?」

なんだか二人の魂胆が垣間見えてきたような。

「そのお話はまた今度で。今はお腹も減りましたし、帰りませんか?」

二人の肩がびくりと揺れた。互い互いに牽制しあってる感じ?

「えっと…」

さて、どうしたものか。

「あー本題!」
「達くん?!」
「奈々子、俺と帰らねぇ?」
「あぁっ!奈々子ちゃん、僕と帰らない?」
「三人では、ダメ…ですか?」

うっ、と二人同時に唸って顔を見合わせてる。ダメ…かな?

「奈々子ちゃんがそれがいいなら、僕はいいよ」
「俺は、うぁー…奈々子が言うなら」
「じゃあ三人で帰りましょう?」

なんか二人考えこんでるけど。

「「別れた後が勝負だな(ね)」」

今日はよく二人がハモる。別れた後?二人とも誰かと付き合ってはいないよね?なんだろう。私と二人っきりになりたいのはよく分かった。けど、だから、どうしたい?なにか別の魂胆が?

「奈々子、帰ろうぜ。俺と」
「奈々子ちゃん、帰ろうよ。僕と」

二人の考えが分かるには、まだまだ先が長そうです。



fin


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