後悔時既に遅し


ハラリとページをめくる。正直面倒臭い。読書は好きだけどー資料探しなんて別物。
うー…折角悠一さん来てるのにぃっ!
今こうしてソファー代わりにベットに座って、退屈そぉーに、適当に置いてあった雑誌読んでるみたいだし。かれもこれも先生が悪いんだ!なにが2枚程度でいいので明日提出してください、なわけ?りえなくない?!あーもうっ!そうだよ、たかが2枚だよ!表面ざらっとでいいよ!出席マジメ子ちゃんしたし大丈夫だよ!知らないっ!

お、終わった…30分。し、新記録。さすがだよ、奈々子。

「悠一さ…」

手にしてる雑誌はダラリと下がってる。少し近づいて、と。

「…──すぅ…すー」

寝て、る?
もしかして、もしかしてもしかして。今までで一番珍しい悠一さんを見てる?いっつも私より先に起きて後に寝るし昼寝なんてしないし。……写真、あ、携帯、よし。もうちょっと下からじゃないとダメかな?覗き込む感じになるけど、雑誌邪魔。っと…よし。はい、チー

「きゃっ!」

「課題終わったのか?」

抱き、抱きっ、近っ、いやいやいやいや、近い所じゃなく、顔っ!
唇、若干触れてるんですけど?!

「奈々子?課題終わったのか、俺が聞いてるんだけど?」

喋れないんです!というより、今までない大胆かつ大胆で大胆な接近はなに?普段恥ずかしいこと出来るか、って言っちゃうような人はどこ行ったの?

「俺が、わざわざ、聞いてるんだが?」

だからっ、さっきから、なんというか、そのあのえっと、なんと言いますが…キス、し続けてるのとね…変わんないんですけど。

「人の質問に答えない上に隠し撮りまでするのか」

だって、寝てる相手に了承の取りようがないし。うぅー後ろに下がりたいのに、腕、いつも以上に力強いしっ。

「奈々子。奈々子?聞こえてるか?奈々子」

こういうときに声の使い方をうまいことするの、ズルすぎっ!

「奈々子」
「だっ!……んっ、ふぅっ…」

狡い!ズルイ狡いズルイ!卑怯だ!

「隠し撮りするような悪いやつにはお仕置きしないといけないだろ」

生き生きしてる…わかりたくないけど、見て見ぬ振り出来ないぐらい、生き生きしてる…。

「課題終わったみたいだしな」

嫌な予感。

「遠慮なく。でも、いつものことだな」

も、寝顔なんて見るだけで充分だいっ!



fin


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