仲間ってもんですよ



*保村真&吉野裕行*

二人の先輩の間が最近の定位置。珍しいだの、羨ましいだの、なんだの言われるけど関係なくて。

「は?奈々子、いきなりなんだよ?」

ほんのちょっぴり幸せを噛み締めたら、1歩どころか大股3歩ぐらい引かれた。

「ちょ、そこまで引かなくてもいいじゃないですか、裕行先輩!」
「したらあっちはどーなんだよ!」

あぁ、なんだかもう他人だと胸を張れる距離ですね。じゃなくて!

「真先輩!なんでそんな離れるんですか!」

裕行先輩の腕を引っ張って駆け寄る。

「いい大人が二匹、ショッピングセンターでギャースカやってたら他人のフリをしたくなるの」

匹って人じゃない!と裕行先輩と一緒に、大反論。



*神谷浩史&小野大輔*

いい大人が、これまたいい大人にこれでもか、と怒られて凹んで…喜んでる?

「なに喜んでんの」

同じ事を思ったらしい怒っているいい大人、浩C。

「や、なんだかんだと優しいよなーって」

怒られているいい大人、小野D。

「んなことねぇし!なぁ、奈々子」
「そう思うよね?ねぇ?奈々子」

いや、だからなんというか…私を巻き込まないでいただきたいのですけども。

「まぁ、なんだかんだで俺の味だし、ね」
「はぁ?俺の味方だろ?」

だから私に矛先を向けないでください。

「まずは原因から教えてください」



*杉田智和&中村悠一*

智和と二人して、正座で反省とか、自分痛い。痛すぎる。痛恨の一撃。

「で?」
「な、中村?いつにも増して怖いぞ?」
「目を細めれば、黒いオーラが見えなくもないですよ?」
「モザイクか!」

容赦ないデコへのチョップ!憐れんだ目で見てくる杉田も巻き添えに。

「杉田に教わったんだもん」
「一回死んでこい!」

あ、頭突き。でもそれは。

「中村だいじょうぶ?」

額を押さえる中村。杉田はそんな中村を愛でるような表情浮かべて眺めてるし。今日もなんてお決まりのパターンなんだろ。



*羽多野渉&鈴木達央*

黙って差し出された(突き出された?)紙カップを受け取る。

「ありがと」

飲めば体に染み渡っていく。この季節これは気が利くなー、と感慨に耽ろうとした。

「たっつん?あ、ちゃんと奈々子ちゃんに渡してくれたんだ」
「俺のは?」
「ちゃんとあるって。はい」

気を利かせてくれたのは達央くんじゃないらしい。

「もしかして、コレ、渉くんから?」
「俺が買ってやろうと思ってたんだよ」

小さい声で「二人に」なんて付け足すから。思わず渉くんと顔を見合わせて笑ってしまった。



*鈴村健一&櫻井孝宏*

「勘弁」

そう言って逃げ出そうとする腕を捕まえる。反対側はもちろん健一が。

「つーかお前ら二人なんなんだよ?!」
「なにって、なぁ」
「そうそう。なにって、ねぇ」
「あーうぜー!」

キレた孝宏を挟んで、健一とケタケタ笑う。

「だから私からのキスか」
「俺からのキスか」
「「どっちがいい?」」

むしろ二人から?と、再び両サイドでケタケタ笑えば、重い思いでため息を吐いた孝宏が額を押さえながら一言。

「この酔っ払いどもが」





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