Alla marcia



ベッドに私を抱えたまま大輔が座る。しばらくして落ち着いた頃を見計らってか、ケーキを取りに部屋を出て行ってしまった。ドア越しに声が聞こえる。

「奈々子ちゃんは?」
「鳥くんに対して身の危険感じたのかも」
「あーらら。輔ちゃん早速嫌われちゃったんじゃね?」
「よっちんくんは……だまらっしゃい!」
「あはははは!鳥ちゃんソレ何キャラ?」
「はぁ?ダイサク、お前そこでツボんのかよ?!」
「ちょ、おかしくね?つか、俺的には今のよっちんの鳥さんの呼び方も気になんだけど」
「たっつん…世の中には、知らないほうがいいことだってある。きっとある」
「そんなことより、なんでケーキ1切れしか残ってないの?」
「あれ?そんなことよりもとか言っちゃう?」
「うるさいよ鳥くん」
「あっれー?Dも食べるの?」
「食べるよ!え?これ、俺がノーカン?!」
「んだよ、ダイサク。人数分切ったんじゃねーの?」
「……あー………数え、間違えちゃった?」
「可愛く言ってみても許されないって!」

賑やか………ドア越しに聞こえる声だけでも充分誰が何喋ってるか分かるって、滅多にないと思うんだけど。それにしてもドア1枚の隔たりがあるだけで、これだけ楽になるなんて…今まで気付かなかったドアの偉大さ?それにしても。

「私の分は家に帰ればあるんだけどな」

そこまで考えたところで、ドアが開いた。入って来た人物は片手にケーキの乗ったお皿を持ってる。

「大にぃ…」

入ってきたのが大輔で、体から力を抜く。

「あー奈々子、ごめんな?岸尾くんがやらかしてくれたから、ケーキ俺と半分こな?」
「家に私の分あるから大丈夫だよ?」
「あ、ホント?」
「うん。だから大にぃどーぞ」
「いただきます」

食べながら大輔が4つ折にされた紙を渡してきた。開いてみれば隣の部屋にいる方々の携帯番号とアドレスだった。



...wait Please




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