「…ヤースー」
「…」
「…ホームラー」
「…」
「いい加減返事しろっての保村真っ」
そういってがばっと背中から抱きついた。
肩口から何やってんのか見るとやっぱり台本チェック中でした。
やっちゃった♪
ヤスが怒ると思ったら意外と無反応でした。
もしかしてかなり怒ってる?
「真さーん。怒ってます?」
「…ぅん〜?」
コイツ台本持ったまま寝てやがるっ
どんだけ器用なのっ?
しかもマーカー開けたまま。
使えなくなるっての。
そんなわけでヤスを起こすことにした。
どうやって起こしてやろうかなぁ…
その@普通に声かけて起こす
そのA肩を叩く
そのBほっぺつねる
そのCはげた頭を引っ張る
うーんどうしよう。
普通に起こすんじゃつまんないし、そのC実行したら絶対ヤスでも怒るし…
よし、これにしよう。
隠れそのD耳元ででかい声を出すにしよう。
被害も最小限でいいし。
と、それを実行するためにマーカーのキャップをしめる。
よしもう我慢できんやるぞ。
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「ヤスっ頭がつるりんになってるっ」
「なにっ」
がばっと起きて頭を触るヤス。
ヤバイ楽しい…
「禿げてないし…ん、おかえり奈々子」
「うん。ただいまホムラシン」
「な、なんで怒って…?」
「んーなんでしょうかね?ヤスくん」
「……今何時?」
「…今?午後11時半を過ぎたとこだよ?」
「すっすいませんしたー」
「フフフフフフ」
「っ奈々子さん?」
「ふざけんなこらーっ」
「わっわるかったー」
「悪かったで済んだら警察要らんわーっっ」
「ガチでごめん」
「あんね?私今日のために学校いそいで終わらして、掃除変わってもらって、バイトもシフト変わってもらって早あがりにしてもらったんだよっ?」
「ごめん」
「いやね?忙しかったり、生活が不規則だってこっちは理解してますとも、えぇえぇ理解してますよ理解してますとも、せっかくわざわざ丸一日オフの日を潰して来てもらって嬉しいよ?
嬉しいけどさぁ、忙しかったり、やんなきゃいけないことがあったりすることも分かってる…分かってるけど…今日久しぶりに一緒にご飯食べれるって楽しみにしてたのにっ」
「ごめん奈々子」
「謝るな馬鹿ヤスっ」
「ごめん」
「はげっ」
「禿げてないっつうの」
「馬鹿っ」
「はいはい俺は馬鹿だよ」
「でも好きっ」
An unrewarded drudge
(っ…ツンデレか?)(違うもん)(ツンデレじゃんよっちんと一緒かよ…)(?何か言った?)(なんにも?)(ヤスってば絶対苦労人だよね)(お前が言うなお前が)
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