友達プラス


遊ぼう!という謎の杉田さん集合令が掛かって、全員で遊ぶことに反論なく決まった。なんなんだろう、この結束力。や、ほんとガチで仲いいだけなんだけど。というか、その一部に取り込まれてる私が言うようなことでもないのか。メンバーは杉田さん集合令によって集まるわけだから、杉田さん、達央くん、渉くん、拓篤くん、光弘くん。遊ぼう!の内容は今日は珍しくダーツとかじゃなくてボーリング。

「奈々子、なんか飲む?」
「奈々子、疲れてない?平気?」
「疲れてたら言ってね、奈々子ちゃん」
「奈々子、飽きたら飽きたと言えばいいからな」

達央くん、拓篤くん、渉くん、杉田さん……。なんだろう、この感じ。女の子だから甘やかしてもらってる、ってわけではなくて、なんていうの?こー、あー。

「みんなして奈々子ちゃんを妹扱いしすぎでしょう」

あー!それだそれ!光弘くん、ナイス!

「奈々子を餌付けてるみっちゃんには言われたくない言葉だよね、それ」
「拓、だからお前は毒舌をオブラートで包め!たまには!」

拓篤くんの光弘くんへの鋭いツッコミに、更に達央くんが鋭くツッコむ。オロオロしてる渉くんに、なんでか全員を慈しむような笑みを浮かべてる杉田さん。カオスだ。きっと今の状況こそをカオスっていうんだ。ま、まとめないと!

「げ、ゲーム!続けよう?ね?」
「そうだな。おい、お前達全員して奈々子に迷惑かけるなよ」

いやいや、杉田さんには言われたくないですから、それ。それでも、ようやくしてゲーム再開。波乱あれど1ゲーム終了。もう1ゲームやることになり、少し休憩を挟む。

「奈々子、平気か?」
「大丈夫ですよー、達央くん」
「本当に?」
「拓篤くんまで。大丈夫だって」
「でも、無理しちゃダメだからね?」
「渉くん。うん。ありがとう」
「こら、お前達。だから奈々子を囲むな。周りから見てると危ないぞ」

いやいや、そういうこと言う杉田さんが危ないですから。しょうがないから自販機に飲み物買いに行こうかな。てぽてぽと自販機のところまで行って、紅茶を買う。ストレート…や、レモン?うーん…ミルク、かな?後ろから肩を叩かれた。誰だろ?振り返る。誰でもなかった。

「ねー君可愛いねー。一人?」
「友達と一緒なんで失礼します」

とりあえずストレートの紅茶も買ったし、帰ろう。

「俺もダチと一緒なんだけどさーよかったら一緒しない?」
「悪いんですが、俺にはそういう趣味ないですから」

ナンパ男の後ろに光弘くんが立ってる。

「あいつらにもないと思いますがね」
「んだよ、男かよ」

成り立ってるのかどうなのか分からない会話で、ナンパ男が帰っていった。

「紅茶?ストレート?」
「飲む?」
「一口」

持っていた缶を渡そうとしたら、光弘くんの手に渡ることなく、缶に口をつけてきた。

「飲ませろと?」

しょーがないなー、と言いつつも飲ませてみる。飲ませ終わって、自分も紅茶を口に含む。

「間接キスだよ?奈々子、いいの?友達だから気にしない?」
「……光弘くんだから、だよ」
「うん、知ってる」
「……意地悪」
「1人でフラッとしてナンパされてたお仕置きだって」

手を繋いで、残り4人の友達のところに帰りましょう。



fin


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