※※第346話:Make Love(&Perv).210








 ジュッ…ジュルッ…

 ナナは丁寧に彼を吸い上げていた。
 力を込めると硬くなって、それがとても嬉しい。


 「顔……見たくなってきたな、」
 苦しさに関係なく、いやらしい表情を見たくなったようで薔は寝具を捲った。
 彼を深く咥えたまま髪を乱して、ナナは恥ずかしそうな視線を向ける。

 「可愛いよ?ナナ……」
 乱れた髪を整えるみたいにあたまを撫でて、薔は微笑みかけた。
 ナナは彼の胸にも視線を奪われ、ドキドキしている。




 「ん…っ、ん…っん、」
 ヌグヌグと吸いながら扱いていると、唾液が蕩けてゆくのを感じた。
 きっと甘くなって、アソコから垂れる蜜のように淫猥になっている。

 「また、下の口に欲しくなったろ?」
 薔は剥き出しの肩まで愛撫してゆくと、確かめた。
 まだ上の口でも味わっていたかったナナは、誘われるままに頷く。
 「じゃあ……上に乗って腰落として?」
 堪らなく色っぽい視線を交えて、薔は促した。

 ナナには従うことしかできなかった。










 ズプッッ――――――…

 「あっ…ああっ、い…っ、イく…っ!」
 腰を支えるように抱かれて落とすと、挿れる途中でナナはイけてしまいそうになった。
 「まだ奥に当たってねぇだろ、」
 たしなめるために薔は乳首を摘まみ、引っ張った。
 それがさらなる快感となった。

 「あっっ!」
 彼にしがみついたナナは絶頂を得て、途中までしか挿っていないモノを締めつける。
 「俺を焦らしてどうすんだよ……」
 待っていられなかった薔は中に捩じ込み、最奥へ突き当てた。

 「あっふあ…っ!?あああっ…っ、」
 イっている最中にも拘わらず激しくされて、容赦ない刺激にナナの腰は砕ける。
 彼にしなだれかかるようにして抱きつき、何度も突き上げられた。
 ゆさゆさと揺れる躰は奥深くまでぶつかりあう。


 「キスしよっか?」
 薔は背中を撫でて、優しい言葉を掛けた。
 腰づかいの激しさとの対照に、ナナは魅了される。
 魅了されて、彼を見る。

 くすっと笑った薔は舌でゆっくりとくちびるをなぞり、包むみたいにしてくちづけた。
 直後にくちびるは抉じ開けられ、舌を滑り込まされる。

 「んっあ…っ、ん…っ、」
 ディープキスは初めから濃厚で、卑猥なリップ音が響いていた。
 上と下から淫音が奏でられ、汗ばんだ肌が重なりあう。


 抱き寄せられたナナは一気に奥を突き上げられ、歓喜の悲鳴を上げそうになった。
 それは彼に嚥下され、ふるえた彼女は絶頂を得た。

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