※※第３４３話:Make Love(&Impatience).208

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　誘発されたナナはそろそろと、舌を入れてみる。
　ちゅくっと微かにいやらしい音が立ったのは、舌を入れられる瞬間に薔が彼女の舌を舐めたからだった。

　「っん…っ、あ…っんっ、」
　ぞくぞくしたナナは片手を掴まれ、胸元に当てがわれる。
　このまま撫で回すようにと、行為で命じられていた。
　自分が襲う役なのに命じられるのもおかしな話だけど、俄然昂る。

　ゆびを動かしながら服の上からすりすりと胸を撫でてゆくと、突起がゆびさきに当たり、ナナはそこで手を止めた。
　「……んっ……」
　薔は感じた様子で、甘やかな声を漏らす。
　ナナは手を止めたままゆびだけは動かし、乳首をこね回した。

　合わさるくちびるのあいだ、混ざる吐息は荒くなる。
　リップ音も濃厚になり、口内が熱くなる。

　夢中になって胸を弄くる彼女のもうかたほうの手を、薔は下部にも当てさせた。
　受けの両方を攻めが弄くるのは確かにこけしちゃんも大好物だが、ナナには刺激が強すぎた。


　(え…っ、エッチすぎますって…っ！)
　キスの最中に心臓が口から飛び出て、彼に喰われそうな勢いである。
　おかげさまで手をごそごそさせてしまい、何だかんだで撫でてはいた。
　「ん…っ、あ……」
　キスの合間に薔はそれっぽい声を上げてくれる。
　言うまでもないことですが、やらせているのは全部、彼のほうです。

　すごく感じてるな？とか、強引にされるのが好きなのか？とか、可愛いな薔……とか、夕月版夕月だったら囁く余裕がたっぷりあります。


　「んっ…も…っ、ダメですって…っ、薔…っ、」
　ナナには到底余裕がなく、一息つかせて欲しくなった。
　「胸にもキスするか？」
　「ええ…っ!?そんな…っ、エッチな…っ、」
　くちびるを少し放すと、色っぽい視線で見上げてきた薔は彼女を抱いていったん躰を起こした。

　「弄られたから硬くなってるぞ？」
　自分でも胸に手を当てると、妖しく笑った彼は自らトップスを脱いでくれた。
　もうダメと訴えておきながら、ナナは至上の凝視に励む。

　「それから、こっちも……」
　上半身裸になると、薔はベルトに手を掛けた。
　全部脱いでくれるのかと思いきや、途中で再び彼はソファに倒れた。




　「好きなとこにキスしろよ、ナナ……」
　容赦ない誘惑を仕掛けて、脱げかけのソコに手を当てさせる。
　もう堪らなくなったナナは同時に挿れて欲しくもなり、大胆な気持ちを誘い出されて、美しい首筋や耳もとにキスをしていった。

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