※※第342話:Make Love(&Enslave).207








 ナナはこけしちゃんの一言にもう堪らなくなり、むんむんしながら過ごす羽目になってしまった。
 バスケ部の活動中にもむんむんしてしまい、彼を使ってちょっと妄想とかもさせてもらいながら、やがて帰宅です。




 「薔ったら……どうしてそんなにエッチなんですか?」
 色気攻撃にやられっぱなしでとっくに降伏しているナナは、聞きたくなったことをそのまま聞いてしまった。
 バスケをプレイしている間も色気は鼻血もので、こんなにもどこをどう取ってみてもドセクシーなおかたがあのノートを読んでらしたのかと考えるだけで大興奮した。
 「……いきなりどうした?」
 まだ何も仕掛けていない薔は、彼女の唐突な問いかけにちょっと心配になった。
 言われたほうからしてみると、エロ親父目線で見られているかのような内容でもあったからだ(エロ親父は愛羅の特権)。


 「どうもこうもありませんよ、薔がエッチすぎて……」
 「だからそれがどうしたのかっつってんだよ、まだ何もしてねぇだろ?」
 「何もしてらっしゃらなくてもエッチだから困るんですよ!お色気ムンムンじゃないですか!」
 「たぶん褒めてんだろうが、全然嬉しくねぇな……」
 ナナは熱い想いで彼の色気についてを語り、対照的に薔は心配を通り越してどんどん冷静になっていった。
 冷静沈着でも堪らなく色っぽいところは無論、彼の特権である。

 「とりあえずおまえ、飯食って落ち着けよ……」
 「そう言えば、お腹空いてました!」
 「知ってる。」
 まずは腹ごしらえと言うことで、ふたりは一緒にキッチンへと向かった。
 しかしながら料理をするときの薔もセクシーであることに変わりはないため、ナナは夕食を戴く前に何度も涎を垂らしそうになった。












 ――――――――…

 ここにもう一人、むんむんしている人物がいた。
 綾瀬 一樹という名の、ちっちゃな野獣である。


 「あー!萌ぴょんに会いたい想いが募るばかりだ!会いたくて会いたくて震えるって、本当に起こる現象だったんだ!」
 綾瀬は萌との関係を進展させたくて、名曲風に乙女チックに悩んでいた。
 毎日LINEをしていても、楽しい時間が過ぎるばかりで関係はいっこうに進まない。
 楽しい時間を過ごすのも大事だし、焦るのはよくないとわかっているのだけど、綾瀬は早く萌と恋人同士になりたかった。
 手を繋いで歩いたりデートをしたり、あわよくば不意討ちでキスとかしてみたい。

 もう綾瀬は兄の煩わしさを考える余裕がないくらいに、萌のことだけを考えていた。
 お兄ちゃんはこの事態を、どう捉えるのか。

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