※※第340話:Make Love(&Sex aid).47
「あ、屡薇くんのせいで変なこと思い出しちゃった……」
「それはほんとに俺のせいなの?」
彼氏が缶ビールを飲み始めたので、ご機嫌なのかなとも思った真依は思い切って打ち明けることにした。
ムラムラが止まらない屡薇はとりあえず、自分のせいではないとも思ったが話は丁寧に聞いてあげることにした。
「こないだ綾瀬くんが、あたしたちのエッチ事情を聞いてきたんだけど……」
ちょっと困った顔をして、真依は話し始めた。
「はあ?」
あのやろう何を赤裸々に語らせようとしてんだと、屡薇は空き缶が潰れるほど綾瀬をぶん殴りたくなる。
「何かね、綾瀬くんは早く彼女とエッチがしたくて仕方ないようで、テクニシャンだったら屡薇くんに色々と教えてもらいたいんだって。」
「うんん?」
次に屡薇は面食らった、赤裸々に聞き出したいのは主に俺の部分なのかと。
おまけに綾瀬はそれなりに屡薇を頼りにはしているようで、空き缶でコツンとぶん殴る程度に留めてやるかとも一瞬思えた。
「でも屡薇くんはそういうの向いてないと思ったから、やっぱり薔さんをオススメしちゃった。」
そのあと地獄に突き堕とされかのような、かなり大きなダメージを食らった。
彼女は、彼氏である自分を差し置いて、エッチを実際に見たこともない隣のカップルの彼氏のほうを奨めたと言うのだ。
いや、確かに凄そうだし高校生なのに色気とか艶とか美貌とか半端ないけど、そこはやはり彼氏をオススメして欲しいのが、彼氏というものである。
そもそも、ネットであれこれ調べられる時代に綾瀬はどんな勉強法でエロくなろうとしているのかと、辟易せざるを得ない。
「実際のところ、薔さんて凄いんでしょ?」
「知らねぇよ、俺、薔ちゃんとエッチしたことねぇもん!」
「強がっちゃって……いつもメロメロにされてるくせに……」
「てかこれ、何の会話!?俺は真依さんの妄想に翻弄されてんの!?」
真依はついに妄想と現実を区別するのを止めて、無性に罪悪感を覚える屡薇はひたすら戸惑った。
ゴルちゃんもいつもこんな感じなのかな?と思っているのはものすごく当たっている。
この点に於いては醐留権先生が立派な先生になりそうなので、屡薇は対処法などを伝授してもらえばいいのかもしれない。
「最近、薔ちゃんがやけにつれなくなった理由が今、わかった気がする……」
「襲ってるからでしょ?」
「違うね……何言ってもたぶんダメだねこれ……」
親友(屡薇認定では親友)なのに最近冷たいなと感じていた屡薇は、その理由をなんとなく理解した。
そう言えば担任なのに醐留権も邪険にされていると気づく、これはどうしようもない定めだった。
妄想に付き合わされた屡薇だったが、目下の悩みは自分のスイカが大人しくなってくれないことだった。
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