※※第339話:Make Love(&Acquisitive).206








 今日は部活中も含め、学校では何もしてもらえず帰宅となった。
 花子と豆のお出迎えもあり、帰ってすぐのエッチもないことを暗示している。


 「そう言えば、はちみつのレモン漬けをまだ作ってなかったです。」
 「今から作ってみるか?」
 「はいっ!」
 夕食の準備と共に、例の“はちみつのレモン漬け”も作ることとなり、ナナと薔は着替える前にキッチンへと向かった。
 わんこたちも一緒になって、楽しい土曜日の夜が幕を開けた。











 ――――――――…

 (うーん、おかしい……)
 楽しい土曜日の夜が幕を開けたはずが、ナナは苦戦していた。
 はちみつはレモンにどうやっても漬からないのだ。
 これが逆で(むしろ正しいやり方で)、レモンをはちみつに漬けるのだったらもっとすんなりできそうだけど、垂れるの何のでもうどうしようもない。


 「全然できないです……」
 手がベトベトになっているナナは苦肉の策として、レモンをぎゅうっと搾ってそこにはちみつを垂らしてみた。
 するとあら不思議、美味しそうで濃厚なはちみつレモンが完成した。

 「でも美味しそうなのが出来ましたよーっ!?薔ーっ!」
 渾身のはちみつレモンを完成させたナナは嬉しさのあまり、レモンとはちみつでびしょびしょのベトベトになった手で彼のシャツを掴んだ。

 「あ!」
 「あ?」
 というわけで薔のシャツも、濡れてベトベトになってしまった。
 シャツを甘ったるくされてしまった彼は濡れた彼女の手に視線を落とし、料理の手を休める。

 「すすすすすみません!おシャツ、吸ってもいいですか!?」
 大興奮のナナは我慢ができず、ストレートに聞いていた、シャツを吸ってもいいのかどうかを。
 「それよりおまえ見ろよ、乳首が透けてる。」
 「ぎゃあああ!やっぱりシャツではなく乳首が吸いたいですーっ!」
 シャツがびちょびちょになったおかげで乳首がほんのり透けて見えて、確かめさせられたナナはまたもやドストレートに言い換えた。
 自分はシャツではなく、乳首を吸いたかったのだ。



 「透けてんだから一緒に吸えるだろ?」
 「えええっ!?」
 欲張りな彼女の要求を、薔は両方叶えてあげようとした。
 乳首が透けて見えているということは、その乳首目掛けてシャツに吸いつけば両方をチュウチュウと吸うことができる。


 「な?」
 シャツを少し引っ張って肌に張りつかせ、より乳首が透けるように魅せてくれた薔は悪戯っぽく微笑んだ。
 その姿の色気が猛毒としか言い様がなく、ドキドキしすぎたナナはなんと、逆上せてしまったのだった。

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