※※第334話:Make Love(&Comfort).202








 足音がもと来たほうへ帰っていったため、教室まで入って来られる事態は免れた。


 ズッ…ズプッッ…!

 「んっ…ゃっ、んっは…っ、ゃ…ぁん…っ、」
 突かれながらくちびるを放されたナナは小さな声を彼の耳もとで上げ、胸をゆさゆさと揺らしている。
 ふたりが繋がった場所からは淫靡な体液が飛び散る。

 「おまえはほんと、危なっかしいのが好きだな?ずっと躰は悦んでたぞ?」
 抱きしめて最奥を突き上げる薔は微笑し、髪を撫でる。
 「ん…っっんっ、ゃ…っんんっ、」
 自分から望んでやってしまったことではなくても、彼の言うことに間違いはなくナナは昂る。
 危なっかしいのが好きで、恥辱に悦ぶ姿も余すところなく彼に見られたくて仕方がない。
 淫乱な自分をもっともっと、曝け出されたい。


 「んん…――――――…っ!」
 絶頂を得たナナは死に物狂いで声を押し殺す。
 その健気な様子に触発された薔は腰づかいを激しくして、彼女の口許にネクタイを持っていった。

 「俺の代わりにこいつでも噛んでろよ……」
 ちょうどいいところにあった、声を我慢させるにはうってつけだった。
 「んはっんん…っくうっ、」
 無我夢中でネクタイに噛みついたナナははだけたシャツが時折色っぽく、乳首を覗かせていることにばっちり目がいった。
 乳首はいくらでも甘噛みさせていただきたく、代わりにネクタイというのが焦れったく感じた。
 そこの感情まで見透かしているのなら彼はわざと乳首を覗かせて魅せているということになり、本気の出血は伴わなくとも出血大サービスとなっている。


 「んふううっっ!」
 抱かれてビクンビクンと戦慄いたナナは絶頂となり、もうかたほうの上履きも勢いで放った。
 彼女がイっている間に、薔はゆびでリボンを摘まむと緩やかに解いた。
 ブラウスはぱさりと左右にはだけて、ナナは肩まで露出する。

 「やっぱ綺麗だな?」
 首筋に吹き掛けると彼は肩にキスを落とし、痕をつけた。
 「んんっ…っ、ん…っ、ィ…っ、イっひゃっ…っ、」
 ぶるるっとふるえたナナはほぼ立て続けにイけそうで、猛々しいモノを締めつけた。
 ネクタイを噛んだまま、甘えた声を振り絞る。
 膣では鼓動も加速して、子宮は物欲しそうな狂熱を帯びている。

 「何度目だよ、これで……」
 ブラウスを引っ張ると、囁いた薔は肩を甘噛みした。
 キスマークをつけた肌とは別の場所を、ほんのり赤くする。
 それらは全部、体内まで彼の色に染まっている証拠だ。


 「んっ…んんんっっ!」
 噛んだネクタイを唾液で湿らせ、ナナは何度目かも覚えていない絶頂を得た。
 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も彼女の中へと、射精をしたのだった。

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