※※第326話:Make Love(&Especial).197








 「あああ、今日もお勉強が終わったらお仕置きだったらいいですのに……」
 宿題をまあまあはかどらせながら、ナナは本来なら心の声に止めておくべき内容をうっかり呟いた。

 「おまえな、そういうのは口に出して言うんじゃねぇよ。」
 やや呆れた薔はばっちり隣に座っていたため、たしなめる。
 「だって昨日の……すごかったんですもん……」
 頬を赤らめたナナは思わず、思い出しうっとりをしている、お仕置きされたにも拘わらず。

 「手を休めんな。」
 「あっ、すみません……」
 うっとりも厳しくたしなめられ、ナナは慌てて我に返る。
 どんなふうに昨日のがすごかったのかは、ご想像にお任せします。

 「このシャープペンで薔の乳首を突つく夢も、見たいものです……」
 「だから、声に出すなって言ってんだろうが……」
 我に返ったはずが、ナナは再びうっとりした。
 昨日は夢の中で彼を弄んでしまい、それが原因でお仕置きをされた。

 悦んではいけないとわかっていても、躰は全部彼のものでなじられるほどに昂る、逆になじるのも密かに大好きなので、いけないとわかっていても幸せすぎた。


 「ここにあるんですよ!?薔のお美しい乳首が!」
 ナナはもう勢い余って、不意をついて服のうえから彼の乳首のあたりをつんつんと突っついた。
 「………………。」
 シャープペンという道具を使っていたせいで、薔はエッチな声を上げてはくれなかった(名字……)。


 「どうせなら指でやれよ……」
 「あああっ!そうでした!」
 夢の中ではフォークでも感じた彼は、現実ではそう簡単にはいかなかった。
 ナナに噛まれて敏感になった場所は、彼女に触れられることにより敏感になってしまうのだ。

 「やり直してもよろしいですか?」
 「ダメだな。」
 「そんなっ、薔の意地悪ーっ!」
 ちゃっかりやり直しをしたがったナナはあっさり却下され、意地悪だと訴えてから勉強を再開した。

 減るものではないし、むしろエロさはどんどん果てなく増えるものなのでちょっとくらいゆびでつんつんさせてくださってもよさそうなものを。


 と、思っていると、

 「なあ、今の俺は特に、意地悪してなかったよな?」

 突然、耳もとにくちびるを寄せて薔は問いかけた。

 「え…っ!?」
 声が気持ちよくてビクッ……となったナナは、頬を火照らせ彼を見る。
 薔はどこか妖しげに、しかも今意地悪心を発揮させたと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべて、彼女と視線を合わせた。

 合わさった視線は、ただちに捕らえられた。

 「つうわけで、特別にしてやってもいいぞ?おまえの大好きなお仕置き……」

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