※※第325話:Make Love(&Sex aid).43







 「困りますぅ…っ!」
 涙目になったナナは正直に応える。
 ほんとうは目一杯、彼にエッチなことをされてしまいたいのに。

 「そうだよな?俺だって知ってるよ……」
 あたまをよしよしして、薔はまた頬にキスを落とすと優しい視線も落とした。
 彼の視線は優しいときでも、どこか意地が悪くて最高に魅力的だ。

 「自縄行為はすんな、おまえを縛り上げていいのは俺だけだ……」
 優しく言い聞かせた薔はくちびるにくちびるを寄せて、キスで奪う。
 最終的に縛り上げているのは全部彼なのに、要因としても許されないとなるとナナはときめいてしまう。

 「ん…っ、はっ…ん、」
 乱れた寝具がもぞもぞして、ふたりは躰を重ねた。
 両手も重ねて、艶かしくゆびを絡めあう。

 響くリップ音は朝の新鮮な空気のなかで、どこか軽やかなくせしてとてもいやらしかった。
 舌を絡めて夢中になる、おはようのキスにしては深く、濃密だった。


 「んんんう…っ、」
 ビクンとふるえたナナは玩具を締めつけて、気持ちよくなる。
 乳首にキスをするのも大好きで、彼にキスをしてもらうのも無論大好きで、つまるところ好きなようになじられてしまいたい。
 もじもじするゆびを確実に捕らえ、長くきれいなゆびが食い込むくらいに絡まる。

 「んっっ!」
 体内をじんじんさせて、ナナは達した。
 嬌声は彼が嚥下して、合わさる呼吸も奪われてゆく感覚に襲われる。
 目眩にも似た愉悦に、くらくらしている。


 「ん…っ、は…あっ、」
 ゆっくりと舌を抜かれくちびるが放されると、ナナの視線はすっかり蕩けてしまっていた。

 「あ…っんっ、薔ぅ…っ、」
 「ん?」
 撫でられるあたまも気持ちがよすぎて、彼女は甘えた声を出す。
 なじられてしまいたいとは言っても、夢の影響でちょっとだけお願いしてみたいことがあった。

 「お胸…っ、舐めさせてくださいぃ…っ、」
 「……ん?」
 ナナはやっぱり彼の乳首も大好きなのである(じゃなければ夢にまで見ない)。
 この期に及んでの申し出だったため薔はすぐにでも激しくしてしまいたくなったが、夢にまで見たのだし聞き入れてあげることにした。


 「っとにおまえは、俺の乳首好きだな?」
 「あああ…っ!まだ全部脱いじゃっ……ダメです…っ!」
 「あ?」
 躰を起こした彼はトップを脱ごうとし、ナナは懸命に引き留めた。
 最初ははだけさせた状態でやりたいのだ、そして、できることなら自分の手で脱がしたい。

 夢の中と異なる点は、ナナはローターを入れられているということである。

[ 257/536 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る