※※第325話:Make Love(&Sex aid).43
「………………。」
ものすごい力で寝間着を引っ張られた薔は、彼女より先に目を覚ましていた。
起き上がり、やや乱れた胸元はそのままで可愛い寝顔を見下ろしてみる。
「幸せそうな顔してんな……また美味いもんでも食ってんのか?」
そして寝起きの甘さを持って、至福そのものの表情に感心した。
彼女が夢の中で食べているのは、君である、幸せそうなのは無理もない。
「ふああ…っ!すご…っ!」
そのとき、興奮した様子でナナは寝言を漏らした。
トーンが高く、ちょっとだけビクッとなった彼は何がすごいのか気になってくる。
ただ美味しいものを食べているだけでは、ここまで昂らないだろう。
「……おい、何をそんなに興奮してんだよ……」
語りかけているわけではないが、悪戯心をくすぐられた薔はやわらかくほっぺを摘まんだ。
おそらく、声を耳が捉えたり触られたりすると、ナナの夢はもっとすごいことになると思われる。
フォークで乳首を突っついちゃったりして、彼がエッチな声を零れさせてくれるようなものに。
「もしかして、あいつか……?」
でこぼこを疑った薔はちらりとリビングのほうを見やったが……君なんだよ、餌食になっているのが君じゃなかったらさすがにこんなふうにはならないよ。
試しにザザえもんに置き換えてみよう、何の色気もない。
じつは女の子同士だという色気すらない。
「はあう…っ!?」
突然、ナナはきつく彼の枕を掴んだ。
いい匂いに引き寄せられたにしても、どこまで自分有利で夢を展開させているのやら。
またしてもちょっとだけビクッとなった薔は、状況がだんだん気に入らなくなってくる。
二度も不意討ちを食らわされたのだから。
「悪戯しといてやるか、」
溜め息をついた彼は、悪戯と言っても寝顔に落書きをするみたいな生易しいものは思いついていなかった。
ナイトテーブルから引っ張り出したのは、遊ぶための玩具ではあるのだけどピンクローターという名の妖しい玩具である。
「何でこんなことになってんだよ……」
玩具を咥え込ませようとした彼は予想外の濡れ具合を怪訝にも思ったものの、そうさせているのは全て君なのだ。
怪訝に思ったあと、彼女はエッチな夢を見ているのだろうと薔も気づいた。
が、形勢逆転され自分があんなことやこんなことをされている夢だとは思ってもいない。
そんな、夢の中の自分の色気のおかげで玩具はなめらかに膣へと入った。
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