※※第320話:Make Love(&Sex aid).42








 「また勝手に決めやがって……おまえいい加減にしろよ?」
 「はいい……」
 愛の巣ではソファにて、堂々と諭す薔とまだドキドキ全開のナナとで愛の説教が繰り広げられていた。
 説教はしていてもお願いは可愛かったので、旅行についての許可はすでに下りている。

 「あいつらが見てる前で俺に絶対服従すんのか?どうなんだ?」
 「えっと……わたし薔にはいつもけっこう、絶対服従していると思います……」
 「あ?何か言い返したか?」
 「いえ…!何も言い返しておりません、空耳でございます…!」
 薔にとってみれば絶対服従でクアドラプルデートとかどれだけ意地悪をさせたがるのかという話で、ナナの小さな言い返しはごもっともな気もするが空耳ということにしておこう。
 絶対服従なら言い返しとか跳ね除けられるに決まっているもんね。

 「でも、薔と旅行ですよ!?嬉しくて仕方ないです!」
 「俺もおまえと旅行については嬉しいと思ってる。」
 そのうちにふたりは説教を通り越して、イチャイチャし始めた。
 薔だって純粋に旅行だったら嬉しい、彼女とふたりきりの旅行ではなく余分な荷物が多すぎるので、これらを途中で放り捨ててしまえたら何の問題もない(醐留権先生の気苦労)。


 「どこに行くんですかね?また海とかですかね?」
 「行き先は桜葉に聞かなかったのか?」
 「はいっ!だって薔と旅行ってだけで楽しみすぎるんですもん!」
 「死者の亡霊が彷徨ってる樹海とかだったら困るだろ……」
 「大丈夫です!薔にずっと抱きついてます!」
 「なら悪くねぇな。」
 うきうきのナナは彼がいてくれれば怖いものも平気で、なんという頼もしさ……とうっとりした。
 デートで死者の亡霊が彷徨う樹海とかいうサバイバルホラーはさすがに、こけしちゃんも望んでいない。
 お化け屋敷なら企てていても。



 「ところで、ナナ?」
 「はい!何でございましょう!?」
 イチャイチャで優しくなった雰囲気のまま、薔は彼女に微笑みかけた。
 背筋を正したナナも満面の笑みでいる。

 「おまえこれから、お仕置きな?」
 恐ろしいほど優しい声で、彼は言い聞かせた。
 「ええっ!?お仕置き!?」
 びっくり仰天のナナはお仕置きをされるようなことを何かしてしまったのか心に問いかけたものの、最初からその方向で話をされていた、むしろ最初は説教をされていた。

 そんなナナは彼にされるお仕置きが大好きすぎて、いけないとわかっていても悦びまくります。




 「お手柔らかにお願いします!」
 「無理に決まってることをいちいち可愛くお願いすんじゃねぇよ、」
 かくして、ナナは強引に寝室へと連れて行かれた。

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