※※第319話:Make Love(&Love philter).194
「何か、巧い脅し文句はないだろうか……」
眼鏡を光らせた醐留権は、あまりにも今更の説明だが職業は教師です。
教師が生徒に対して使えそうな脅し文句を思案しております。
「薔くぅんのことになるとぉぉ、真剣ぅぅ……」
「桜葉、そんな目で私を見るのは止めなさい……」
萌えたこけしちゃんは輝く瞳で彼氏を見つめ、あっちの世界に羽ばたいていようとも熱い視線にムラッときたゾーラ先生は眼鏡をゆびで弄った。
「俺、ポテトじゃなくて苺パフェが食べたいな……」
「え〜!?羚亜くん、可愛い!羚亜くんが苺パフェみたい!」
「いま目の前に写真あるから思うんだけど、俺がこの色してたらホラーだよ!」
食欲が沸いてきた羚亜は甘味を欲しがり、愛羅はますます興奮した。
メニューを見ていた羚亜は身の危険を感じすぎて、監禁疑惑への恐怖が自然と薄らぐ。
こけしちゃんは腐に萌えているしゾーラ先生はムラムラしているしで、わりとぐだぐだな作戦会議になってまいりました。
「ところで、行き先はどこがいいんだ?」
話題を逸らそうとした醐留権は各々の、デートの行き先の希望を聞こうとした。
「また旅館とかよくない?羚亜くんっ。」
「そうだね、愛羅さんの浴衣姿めちゃくちゃ可愛かったし。」
「やだ〜!羚亜くんには敵わないって!」
「ちょっ、痛いし危ないっ…!」
褒められて照れた愛羅は彼の背中をバシンッ!と叩き、前にのめった羚亜はテーブルに頭をぶつけてもおかしくはなかった。
バカップルは今度はホテルではなく旅館が良いと言いだし、いつものイチャイチャ全開になる。
ドリンクバーのグラスを、羚亜はおでこで押し倒す寸前だった。
「………………。」
旅館ではけっこう最近、媚薬プレイに耽ってしまったこけしちゃんと醐留権は思い出し高揚をした。
使われた側のこけしちゃんは赤面し、醐留権はやけにそわそわしてくる。
また同じシチュエーションで媚薬プレイでも大いに結構なため、ふたりとも旅館は賛成だった。
屡薇と真依も特に異議は唱えないだろうし、予約をするなら思い切りエッチを堪能できそうなプライベート露天風呂つきとかが燃える。
こけしちゃんと真依は男前だらけで男湯も大歓迎だが、なるべくなら却下されない方向で話を進めたい。
きっと快楽の虜になっているであろうナナを監禁生活から救い出すのは果たして善意なのか?が疑問ではあったものの、エロい妄想がついて回ってくるのでやはり監禁生活からは救い出したほうが良さそうだった。
ということはたぶん、特にこれといった善意ではない。
行き先が旅館と半ば決まると、全員セットメニューとかそういうがっつりしたのを頼むことにした。
皆で旅館デートはお盆休み中に決行されそうで、そのときにゾーラ先生はいかがわしいことが目一杯できること間違いなしだった。
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