※※第312話:Make Love(&Sex aid).40








 「んっあっあっあ…っあっ、ああっん…っ、」
 濃厚に密着していた、彼のうえに座って奥を突き上げられる。
 絶頂はほとんど間を置かず、訪れようとする。

 「イくなよ?少しだけ我慢しろ……」
 ここにきて突然、薔は動きを止めた。
 「や…っ!?やら…っあっ、あ…っ、やああっっ!」
 ほんとうに突然の寸止めで、ナナは思わず「イヤ」を口にしてしまう。
 彼への服従を意識できる余裕はまったくなくて、泣いて目隠しをぐしょぐしょにした。


 「……煽ってる暇があんならさっさと腰振れ、」
 背中を撫でた薔は耳もとで囁く。
 従順な部分をなだめすかすように、淫乱な部分を暴き出すように。

 「おまえが出し入れしてるとこ……見ててやるから、」
 彼は耳にそっとキスをした。




 「あ…あっ、あ…っ、」
 抗えないナナは素直に従い、腰を上下に動かしてみた。
 両手が自由ではないせいで、彼の肩に両手で掴まるわけにもいかず、腰を落とすときは思い切り身を預けるしかなかった。

 ズチュッ…!……ズチッッ…!

 「んっあああああっ…っん、」
 自分で捩じ込ませて最奥に当てて、収縮している中で再度引き抜き奧に当てる。
 「相変わらず綺麗だな?」
 胸を揉みながら視線を落とし、彼にしか見えない部位を眺めて薔は言葉にした。

 「おまえが俺に絡みついて、光ってる様は……」










 「んんっ…あっっ!」
 言葉にも欲情して、ナナは絶頂を得る。
 自分には見えていないからこそ、彼に独占されているみたいで愉悦が迫り来る。

 「淫れまくってるくせに……最高に綺麗なんだよな、」
 イったばかりの彼女の首もとにキスの痕を残し、薔は吹き掛けた。

 穢れながら美しくなる、これは彼としかできない唯一無二の行為だった。
 飲み干した淫水は媚薬なんかより遥かに圧倒的で、お腹のずっと奧が切なくて、ナナは底なしに淫欲を引き寄せられる。

 「あっんっっ!」
 腰をガクガクさせて絶頂を得ると休む暇もなく、彼のほうから激しく突き上げだした。
 彼女の動きとは違い、なめらかで素早い刺激が子宮を熱くさせる。

 「あっあっあんっあっはっあっ…あっ、あん…っ、あっ…あっあ、あっんっ…あっっ、」
 ナナは絶え間なく喘ぎ、逃れられない快感のなかにいた。
 腰づかいを過激にさせた彼の鼓動も、中でどんどん増してゆく。



 「あああああぁぁんっっ!」
 両手を縛られたまましがみついたナナは絶頂となり、

 「……っ!」

 ほぼ同時に薔も射精をして、子宮目掛けて勢いよく注ぎ入れた。
 また彼で充たされてゆく体内は蕩けて弾けそうで、それでも強欲に彼を欲しがっていた。

 抱かれていたかった、体温が僅かに離れてしまうことも堪え難いと思った。

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