※※第312話:Make Love(&Sex aid).40







 ごくんと数回喉を鳴らし、すっかり嚥下しきったタイミングで彼は一気に挿入した。


 「あああっっ!」
 挿れられてすぐさま絶頂を得たナナは腰を抱いてソファに押し倒され、激しく突かれだす。

 ズッッ…!ズプッ…ズプッ…!

 初っぱなから体液は飛び散り、淫靡な煌めきを散乱させた。


 「残さず飲めたな?」
 喘ぐ彼女の口内を覗いた薔はくすっと笑い、言いつけを守れたことに対してかあたまをよしよししてくれた。
 ナナはもう努めて言いなりになっているわけでもなくほとんど本能が従わせているだけで、ただただ快感が嬉しくて濡れる。

 「あ…っあっんっああ…っ、」
 またイけてしまいそうな感覚に襲われ、縛られている両手を握りしめたナナは躰を反らした。
 その顎を強引に掴み、薔はキスを落とした。
 ゆびは頬を這い、確実な快感を打ちつける。


 いったん少しだけ放して甘やかな吐息を絡めあったふたりは、濃密にくちびるを重ねあった。
 視線は絡めあわせていないはずなのに、すっかり捕らわれてしまったようで淫れるナナの体内を羞恥が駆け抜けた。
 彼女は羞恥を感じるほどに、捕らわれ淫れてしまう。

 くちゅくちゅと立てるリップ音も淫音となり、拘束されている感覚をも愛撫した。


 「んんんうっっ!」
 執拗に最奥を突き上げられ、ナナは絶頂を得る。
 「は……」
 僅かにくちびるを放して息を上げた薔は彼女の脚をさらに開かせ、今度は腰がかなり持ち上がった状態でピストンを与えた。
 中で絶妙に角度が変わり、攻められ方も絶妙に変わったナナはつまさきを戦慄かせる。
 くちびるはより深く塞がれる。

 「んっ…んっん…っ、は…っんっ、」
 突かれながら彼のことを「ご主人さま」と呼びたくても、ディープキスに夢中でできるはずもなく。
 舌を伸ばして、誘導されたところをいやらしく絡めあう。


 ツッ――――――…ッ…

 床に落とされ息を潜めているバイブはびしょ濡れで、伝い落ちる体液が尚も妖艶な水溜まりを広げていった。
 どこまで行っても、止められないような気がした。

 ゆさゆさと揺れ動く乳房は汗ばみ、乳頭までひっきりなしにじんじんしている。

 「んっう…っ、んん…っ、」
 抱きしめられ、髪にゆびを絡められたナナにはすでに限界など存在していなかった。
 彼が連れていってくれる場所まで、堕ちるようにして昇り詰めるしかできなかった。


 「ん…っあああ――――――――…っっ!」
 ふるえてオーガズムを得た彼女はイっている最中でもお構いなしに、腰を強く抱かれて躰を起こされた。
 放されたくちびるから糸を引いた唾液は一瞬の煌めきを見せたあと、途切れてくちびるを艶めかせた。

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