※※第311話:Make Love(&React).189







 プチュッ…クチッ…クチッ…

 ゆびは共同作業を続けていた、一緒に抜き差しされている。
 薔はGスポットに摩擦を与え、どこまでもナナの淫欲を引き出す。

 「あっ…ん、あ…っ、」
 どんどん愛液が溢れてくるのは、ナナにもよくわかっていた。
 そのうちに彼女は、“ある重要なこと”に気づいた。
 エッチなことをしている最中の“ある重要なこと”ですので、おそらく重要というより純粋にエッチなことです。

 気づいてしまった彼女は急いでゆびを抜いた。



 「……何やってんだ?」
 勝手にゆびを抜いたことを責めようとした薔は、顔を上げる。
 「んあっ…っ!」
 その際にクリトリスを吸って離され、ふるえたナナはイけてしまった。

 イったあと、ますます上擦った声を一所懸命に振り絞った。

 「あ…っ、だっ…て…っ、」
 厳しい目つきで見つめられることにもぞくぞくする、例えたしなめられたとしても全身は悦ぶだけだった。
 「わたしの全ては貴方のものです」と、言わせたのは彼だった。

 「そこ…もっ、んっっ、ご主人さまだけのっ……ものですもん…っ!」

 しかもナナは「旦那さま」から「ご主人さま」へと呼び方を飛躍させた上で応えていた。
 始めたときからずっと、雰囲気からして「ご主人さま」だった。




 「……いつの間に呼び方が“ご主人様”になったんだよ……」
 呆れたように見えた薔はただ、ちょっと困っただけだった。
 尚更念入りに、可愛がってやりたくなる。

 「ご…っ、ご主人さまっ…っ、です…っ、」
 ナナは潤んだ瞳で、甘ったるい声を上げる。
 今まさに、彼の風格はご主人様だった。


 「へえ……可愛いな?おまえ……俺に対して従順なつもりだったのか、」
 薔は優しくあたまをよしよしすると、くちびるにくちびるを寄せて囁いた。

 「そのわりには……自分の判断だけで勝手に指抜いたりできるんだな?」

 重なりそうでまだ重ならないくちびるの熱にも、なじられている。




 「あ…っ、ごめっ…なさ…っ、」
 ナナはドキッとした、自分はあまりにも勝手なことをしてしまった。
 ご主人さまが許してくれたことが絶対なのだと改めて思い知る。
 急いで再び入れようとしたゆびは、彼のゆびで遮られた。

 「もういいから口開けてろ……」
 髪を撫でると、薔は2本ゆびを増やした。
 しなやかに入ったゆびが、ヴァギナを押し拡げる。


 「んん…っんっ、は…っ、」
 言われた通りに口を開けていたナナは、初っぱなからディープに奪われた。
 くちびるが艶かしく重なり、舌と舌が絡みあう。


 同時に、ゆびは中を拡げながら抜き差しされだした。

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