※※第297話:Make Love(&Lust).180








 部屋のなかはうっすらと入り込む朝日のおかげで、カーテンが引かれていても薄明かりが灯されているみたいだった。


 キュッ――――…

 「あ…あっ、ん…っ、」
 ベッドへ横になっているナナは後ろから乳首を摘ままれ、嬌声を上げた。
 膨らみすぎてとても敏感なままの乳首は、何度でも快感を受け入れより一層敏感になる。
 抱きしめられている躰は冷めることを知らないみたいで、ずっと火照っていた。

 「ちっとも寝てねぇが、おはよう?ナナ……」
 くすくすと笑った薔はやわらかく乳房を揉みしだくと、耳もとにそっとキスをした。
 一晩中抱いていたくせに、時間を見計らって甘い声で「おはよう」を言う彼は意地が悪い。
 「お…っ、おはよ…っ、ございっ……ます…っ、……っんっ、」
 ナナはビクンッとふるえてしまい、奥深くに留まっている彼を狭める。
 数えきれないほどイって、たくさん中出しをされて、今はわざと動かずに挿れたまま焦らされていた。
 同じほうを向いて横になり、密着している。

 ほんとうに、朝までセックスに耽溺してしまった、寝ていなくても全身は潤いすぎており何もかもが絶好調ではあった。
 焦らされているため、朝からとてつもなくじれったくはありますが。



 「あっ…のっ、う…っ、動いて…くらさ…っ、」
 きゅっとシーツを掴んだナナは脚をもじもじさせながら、せがむように訴えた。
 くるまれている寝具のなかから、いやらしい水音が弾みで響く。
 「焦らされてるおまえの反応が可愛いから、やだ……」
 今度は悪戯っぽく笑った薔は腰を抱く手を力強くさせて、髪を撫でると項にキスをした。
 囁きにぞくぞくしたナナはますます、彼をキュウキュウと締めつけている。

 「もう少しこのままでいよ?」
 シーツを掴んでいた手を引き剥がすと、薔はゆびを絡めて手の甲にもキスをした。
 「あ…っ、う…っんっあ…っ、」
 イヤです、とも言えなくなる、彼はずるいと思うことにも興奮した。



 「なあ、ナナ……」
 薔はくちびるをなめらかに、ゆびの付け根へと滑らせてゆく。
 吐息も手を愛撫して、焦れながらも気持ちがよすぎた。

 「あ…っ!」
 お腹の奥が切なく痺れたナナは自分でも驚くほどすんなりと、達してしまった。
 全然動いてもらえていなくて、もどかしくて仕方がなかったのに。
 「やっぱ躰は素直だな?」
 跳ねる腰を抱き寄せた薔はまだ動く気配を見せず、面白そうに吹き掛けた。

 「動いてなくても感じるだろ?おまえの大好きなやつが奥まで挿ってんだから……」

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