※※第296話:Make Love(&Make Love!).20







 優しく、ということはお仕置きの時間はとうに過ぎていたのか。

 「あああああっっ!」
 わからなくて、彼を感じすぎているナナは絶頂を得る。
 「ん……」
 脚にキスの痕をつけた薔は肩から降ろさせ、腰をぐいと持ち上げた状態で動き始める。
 ベッドはずっとギシギシと軋みつづけている、いつもとは違うベッドが果てなく乱れる。


 「あっあっあっあっあ…っ!あっっ、あっあっあああっんっ、あっあんん…っ、あっんっっ!」
 手加減をしてもらえないナナは立て続けに絶頂を得て、全身を痙攣させた。

 「あああっ…――――――――っ!」
 おかしな感覚に意識がくらくらして、飛んでしまいそうになる。

 「……っ!」
 そのうちに彼女の戦慄きとほぼ同時に、薔も射精をした。
 ぎゅっと重ねられた両手では、艶かしくゆびが絡みあう。

 「はっ…んっ、あ…っあっんんっ、あ…あっ、」
 細やかにふるえるナナは、注ぎ込まれる迸りに恍惚の表情でいた。
 切なく熱くなっていた子宮がさらに切なく熱くなり、彼の鼓動に満たされ支配されている。




 一度出すと、ゆびを滑らせ手を放した薔は抜いてしまった。

 「や…っ、いや…っ!あ…っ、薔…っ、やらあっっ!」
 抜かれてたちまち焦れたナナは中から淫水を溢れさし、泣きながら無我夢中で彼にしがみつく。
 「……ん?嫌なのか?」
 なだめるみたいな手つきであたまを撫でた薔はしがみつかれたまま、深くまで挿入した。

 「次は後ろから挿れてやろうと思ってたんだけどな……」

 くすくすと笑った彼はただ意地悪をしただけで、面白がりながら彼女の涙をゆびで拭う。


 ズチッ…ズチッ…ズチュッッ…!

 「あっふ…っあっ、あん…っ、あ…っあんっ、」
 まんまと嵌められたナナは中を収縮させて、

 …ッ…くちゅっ…

 「んんう…っ、あっ…んんっ、」

 喘いでいたくちびるを奪われ、舌を絡められた。
 合わさった口内で、荒くなった吐息も絡まる。

 時折漏れる音が、すごく、いやらしい。



 「ふっ…んんんっっ!」
 ディープキスも味わっていると、腰づかいを加速されナナは絶頂を得た。
 くちびるを放した薔は彼女がイっている隙に、スムーズに抜いてその躰をベッドへ四つん這いにさせた。


 ズプンッ――――――…!

 「やっっ!?らめっ、お漏ら…っ、しちゃっ…っ、あああぁぁっっんっ!」
 腰を掴んで持ち上げられたナナは後ろからも挿入されて、オーガズムを得ながら潮吹きをした。
 大量に飛び散った潮が、シーツに淫靡な水溜まりを描き出す。

 「余計に恥ずかしい言い方だな?可愛い……」
 顎をゆびでさすり、持ち上げた薔は耳もと吹き掛ける。


 「んっあっ…あっあっっ、ん…っあっんっ、」
 聴覚も愛撫されて背筋が甘やかに痺れ上がったナナは、くちびるをなぞっていた彼のゆびを咥えた。

 チュッ…クプッ――――…






 「……っ、」
 薔は彼女の仕草にぞくぞくして、意地悪心をくすぐられた。
 「ん…っン、んっく…っんっ、」
 ナナは夢中になって、美しいゆびに吸いつく。

 「もっと深くしゃぶっていいぞ?」
 彼は自らゆびを押し込むと同時に、腟では奥深くへと捩じ込んだ。

 「んんんううっっ!」
 絶頂を得たナナは両手を揃えてシーツを裂けるくらいに掴み、彼女の両手を包み込むように薔は片手を重ね、押さえつける。
 裂けることを押し留めているというよりは、まるで助長しているみたいに。

 ナナは暴かれ、誘い出される。




 海辺のホテルで彼の中を泳ぐ夜は、何よりも快い熱帯夜だった。















  …――Love never sleeps.

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