※※第249話:Make Love(&Amenable).148
手首から解かれたネクタイが、床に乱れて散っている。
体液で艶を帯びたソファは、過激に軋み続けていた。
パンッ…パンッ、パンパンッ…!
「あっあああっはんっ、あっあんっ…あっんっ、あっ…ああっんんっっ、」
後ろのあとには前からとなり、一度抜かれたナナは仰向けにされ脚を持ち上げられると自ら開いて、挿入されていた。
明かりを煌々と灯されたリビングで、彼女の嬌態は彼の視線に絡め取られている。
揺れ動く乳房は揉みしだかれ、乳首は口で愛撫され、気持ちがよすぎて意識が飛びそうだった。
「自分から脚広げて…そんなに欲しかったのか?」
乳房から放したくちびるで耳にキスをして、息を乱しながら薔は笑う。
「ん…っ!んっ…あっあっ、」
耳が甘く蕩けるみたいに痺れてくらくらして、イけてしまったナナは彼にしがみつく。
しがみつきながら無我夢中で、頷いていた。
「そうだな、もう泡立って溢れだしてきてるもんな?」
抱き返して耳を舐め上げた薔は、素早く深奥まで嵌めるよう突き挿れた。
「おまえの奥にいっぱい出してやった、俺のやつ……」
「……っっ、あ…っっああっ、」
ナナは裂けるくらいに、彼のシャツを掴んだ。
淫音となって溢れだしてもくるから、感じ取ることはできる。
恥ずかしくて仕方ないのに強欲になる、彼だけに、彼だけを欲しがる渇望が躰を果てなく淫乱にさせる。
「何度でも欲しがっていいぞ?」
頬を両手で挟み込み、親指で涙を拭った薔は嬌声を上げるくちびるにキスを落とした。
「ん…っんんっ、んっはん…っ、ぁんん…っ、」
奥へ奥へと激しく突かれながら、口内でも深くへ忍ばせて舌を絡めあう。
舌を吸いながらほんの僅かにくちびるを放した薔は甘い微笑みを落とすと、彼女には息を漏らす間も与えずに再びそのくちびるを濃く深く奪った。
キスをしながら、頬から滑らせた手で耳を愛撫される。
「んんんうっっ!」
絶頂を得てしまったナナはまだまだ耳たぶをふにふにされ、中で鼓動を速めてゆく彼を一気に締めつけていた。
――――――――…
「うん、帰り道にSUTAYAに寄ると、ついついBL買っちゃうな……」
彼に既読無視をされているが故のBL買いか、雨にも拘わらず寄り道をしてきた真依は内心ではほくほくしていた。
仕事から帰る時点の話で、既読無視は相変わらずだった。
SUTAYAについては、何だかごめんとしか言い様がありません。
「よし、今夜は読み耽ろう!」
と、広げた傘を片手に意気込み、アパートの前へちょうど辿り着いていた真依は、
「何を読み耽んの?」
雨の中、突然声を掛けられた。
驚いて真依が見やったほうに、立っていたのはびしょ濡れの屡薇で、
「真依さん、おっせえよ、俺30分くらいここで濡れてたわ。」
呆れ顔で、雨に濡れた髪を片手でかき上げた。
「来るなら来るって言ってよ!それから、何で傘さしてないの!?」
「えっと、俺いちおうLINE送ったんだけど、真依さんは本(たぶんBLだよね?)に夢中になってたんだと思う。傘は持ってんだけど無性に濡れてぇ気分だった……」
「はぁぁぁぁぁあああ!?」
どうやら、真依がBLを吟味している間に、既読無視には終止符が打たれていたようだ。
にしても、いきなり会いにきたしびしょ濡れだしで、真依はひたすら面食らっている。
…――――修羅場、到来か?
…――An ordinary misunderstanding!
[ 292/537 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る