※※第201話:Make Love(&Obscenity).118
解答が書き込まれてゆく様へ、妖しい視線も落としていた薔は彼女がペンを離すと同時に、顔の向きを変えさせいきなりそのくちびるを奪った。
それは、正しい答えが導き出された証明ともなる。
「……っん、」
触れあうくちびるはやわらかく、隠しきれない熱を伝えあう。
一度、吐息を絡めてそっと放しあうと、薔は彼女のすぐ目の前で色っぽく微笑んだ。
ナナの心臓は跳ね、射抜かれ持っていかれてしまう。
融けあいそうな視線をただ真っ直ぐに絡めてから、ふたりは再びくちびるを重ねた。
…ッ…くちゅっ……
今度は、ゆっくりと舌も絡ませてゆく。
甘い匂いは濃密となり心地よく全身を包み込む、それは、ぬくもりでも。
くちゅ…ッ…ちゅぷっ…
「ん…っ、は…っ、」
テーブルの上、ノートの上へと乗せていた嫋やかな手に頼もしい手を重ねられ、きゅっとゆびを絡められた。
「んん…っん、」
舌は口内を探るよう、深くへと滑り込み、吸いつくようなキスで息もできなくなりそうで。
舌を撫でながらゆっくりと舌は動き、唾液を絡めて音を中から響かせ、艶かしく歯齦を舌先で刺激する。
「ん…っ、ん…っふ、ん…っ、」
ナナの躰は快感からくるふるえを止められなくて、ひたすらに彼とのディープキスをむさぼった。
じわじわと濡れてゆくばかりのパンツにはもう、淫らな染みが広がっていることだろう。
反応し、熱を帯びる乳首が、膨れているのがわかる。
もっと彼の好きなように、乱してほしくて淫れたくて堪らない気持ちも膨れ上がる。
「ん……っは、っ…」
やがてくちびるが放されてゆくと、唾液は名残惜しげに細く糸を引かせて、
…ッ…ちゅっ……
くちびる全体を柔和に吸うようなキスをしてから、またそっと放して、髪を撫でながら薔は囁いた。
「ベッド行こっか…」
すぐにまたキスできそうで、できない距離で、あたたかい吐息がくちびるをなぞる。
彼の言葉も躰を内側から愛撫するかのようで、ご褒美はえっちなものなのだという厭らしさをじゅうぶんすぎるほどに孕んでいた。
「は…いっ、」
ナナは火照った全身で、全力で応え、頷き振り絞る。
「じゃあ…掴まって?」
薔は彼女を抱きしめて耳もと吹きかけ、やさしい手つきで背中を撫でた。
「ん……」
言われた通りに、ナナが彼へとぎゅっと掴まると、
薔は彼女を抱きかかえたのだった。
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