※※第201話:Make Love(&Obscenity).118








 帰りは仲良く寄り添い、相合い傘かと思いきや。
 部活を終えて帰宅する頃にはまだ、暗い空は雨模様だった。
 と言いますことで、相合い傘はしませんでしたが終始ふたりっきりワールド全開で、ナナと薔は仲良く寄り添って帰宅しました。




 雨が降り始める前にと、帰宅してすぐに花子と豆のお散歩に出掛けてからは、

 「わたしも薔と一緒にご飯作りたいです…」

 口を尖らせるナナだけ、リビングでお勉強の時間となった。
 もうすぐ中間テストでございます故。


 「ただ勉強したくねぇだけだろ?おまえ、」
 「ちがいますよ!」
 彼女の姿を可愛い……とか思いながらもそこは容赦なく、薔は一人で手際よく夕食の支度に取りかかる。

 “ナナちゃん、ご主人さまはナナちゃんに補習をさせたくないのよ?”
 “花子ちゃん、かまって〜!”
 豆にじゃれつかれながらも、ご主人さまの心情を察している花子はナナの見張りに徹し、

 「えーと、あっ、この問題の解き方はこないだ、薔に教えていただいたばかりです…!」

 何だかんだでナナは真剣に、まずは数学の問題と向き合い始めた。

 「ちゃんと勉強できたらご褒美だからな?」
 「かしこまりましたぁ!」
 キッチンからの彼の甘い提案にナナはピシッと敬礼をして見せる。
 ご褒美効果は覿面か、ナナはますます真剣に問題と向き合うことができていた。



 彼女の様子に微笑んだ薔は、ふと、

 沸き上がりそうになった狂おしい激情を、黙って押し殺したのだった。















 ――――――――…

 ヴィジュアル系専門雑誌のインタビューは開始され、FeaRのメンバーは誰一人としてぬぼーっとなどしていなかった。

 今回も撮影に訪れたカメラマンの越谷は、どこかしらそわそわしているようだ。
 何かが待ちきれないといった様子で、本人も無意識なのだろうが記事に載せる写真の撮影に入る手前、数回腕時計をちらりと確認してしまった。


 そのことに気づく者は誰もおらず、途中で越谷自身も自分に心で活を入れ、インタビューは滞りなく進められていった。



 (あ〜、俺のマグナムが……)
 さりげなくここにもう一人、キリリとしているようは見えますけれど活を入れたほうがいいやつ、おります。

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