※※第200話:Make Love(&Tease).117








 「責任って……何?」
 掴まれていないほうの手で、ブラジャーを着けてはいるが胸元を隠しながら、真依は確かめる。

 「そりゃあ、大人の責任だよ…」
 楽しげに笑った屡薇は、ソファのうえでは豆がすやすやと眠っていることもあり、

 「よし、真依さん、一緒にシャワー浴びよう。」
 「えっ…!?やだ…っ!」

 掴んでいる手を引っ張ってバスルームへと向かい始めた。

 「やだっ…ってば……!」
 恥じらう真依は全力で拒否しようと思うのだけど、

 「俺と一緒にシャワー浴びたくねぇの?」

 どこかしらしゅんとして問いかけられてしまうと、それもなかなかできなくなる。


 (うわあ……いきなり一緒に、シャワーとか……)
 結局は、ものすごい緊張により大人しくなりながら、手を引かれるままにバスルームへと向かうしかなくなる。






 「緊張してるかな?」
 脱衣室へと辿り着くと、屡薇は真依の頬を撫でて確かめた。
 「そりゃあね…」
 真依は眉間に皺を寄せるものの、火照りを隠すことはできない。
 頬に触れられているのだから。


 「俺だって緊張してるよ?ほら…」
 屡薇は彼女の右手を、自分の左胸に当てさせてから、

 「脱がしっこする?」

 ブラジャーのホックを、外した。


 「答える前に脱がしてるし…」
 「あ、ばれた?」
 真依も負けじと、彼の服を脱がしてゆく。
 衣服は無造作に散ってゆくから、いやらしさを助長する。
 ふたりは自然と、露になってゆく互いの素肌に息を荒げていた。
















 ――――――――…

 「は……」
 舌は絡みあいそうで、絡まなくて、くちびるはそっと放されていった。
 蕩けてしまいそうな表情はディープなキスをせがんでいるかのようで、ナナは息を乱す。


 彼女の心情をきちんと悟っている薔は、ひとまずそれ以上はキスをせず、

 「そんなえっちな顔見せられると、困るんだけどな…」

 ピンク色の猫耳をゆびでやさしく弄った。

 「あ……」
 ふにふにと弄られる猫耳は、くすぐったいような気がしてならない。
 彼のキスで自分はほんとうに猫にされてしまったのだろうか?
 えっちな気分にされて、困るナナはどこまでも彼にえっちなことを仕掛けてほしくなる。


 「何でここ弄っても感じてんだよ…」
 意地悪く笑った薔は、ちょっと猫耳を引っ張ってくる。
 「わかんな…っ、あ…っ、」
 彼に言葉にされてしまうとますます感じて、ナナはふるりと躰をふるわせた。

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