※※第200話:Make Love(&Tease).117








 共に後片付けも終えてのこと。

 「薔っ!機嫌を直してください!わたし、帰ってきましたら薔の言うこと何でも聞きますので!」
 ナナは拗ねてしまった彼の機嫌を回復させるために、いつぞやの映画ザザえもんイベントで手に入れたピンク色の猫耳カチューシャを率先してあたまにつけてみた。
 言うことを何でも聞くと言ったら、それはわりとでもないほどに常である。
 花子は豆と同じ夢のなかにいるのか、お部屋で熟睡中でございます。


 「……たまには拗ねてみるもんだな、」
 ソファにふんぞり返っていた薔は、彼女の姿に感動したというかムラッときちゃったようで、

 グイッ――――…

 いきなり強引にその手を引っ張った。
 彼が素直に、拗ねていたのだということを口にしたためにときめいたナナは、気づいた頃にはもう視界が変わっていた。

 同じほうを向いて座った状態で、後ろからぎゅっと抱きしめられる。



 「可愛すぎだろ?おまえ…」
 くすっと笑った薔は猫耳へと、ふっと息を掛けてくる。
 「そっ、そこは……くすぐったくないですよ?」
 ほんとうはそこ以上に全身があったかくてくすぐったいのだけど、ナナはもじもじと振り絞る。

 「じゃあ、ここは?」
 彼女の反応に、薔は今度はちょっと意地悪く耳へと息を吹き掛けた。

 「あ…っ、そこは…っ、くすぐったい…ですっ、」
 ぴくんっと躰をふるわせて、ナナの声は甘ったるくなる。
 ピンクの猫耳も微かに、ふるふると揺れ動く。

 「ここは敏感なんだな…」
 「あ…っ、あ……」
 彼はわざと、今にも耳にキスができてしまいそうなほど近くで、笑う。
 あたたかい吐息で耳を愛撫して、彼女を甘く刺激する。


 「もっと敏感な場所は?」
 「ん…っや、あ…っ、くすぐった…っ、」
 薔はくすぐるみたいに、彼女の躰を弄りだす。
 ゆびを項へ滑らせたり、鎖骨を撫でたり、もう少し下へゆけば谷間に辿り着きそうな柔肌も撫でてから、ゆっくりと伝い上げて顎をなぞる。

 「は…っ、ん…っン、」
 どこに触れられても感じてしまうナナは頬を火照らせて、ビクビクと全身で反応をして、もっともっと下まで愛撫してほしくなる。

 ゆびさきできちんとその熱情を感じ取った薔は彼女の切望通りにはせず、顎を持ってクイとナナの顔の向きを自分のほうへと持って来させると、

 「あぁ、全部か…」

 囁いてからそのくちびるを奪ってしまった。

 チュ――――…





 「……っん、」
 触れてくれるのが彼であるのだから、全てだった。
 全てを奪うのは、彼だけだ、彼しかいない。

 やわらかく触れあわせるくちびるから熱く吐息を漏らし、ナナは早く舌を絡めてほしくて下着を濡らしていた。

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